4. 高額療養費制度をより使いやすくするための工夫

高額療養費制度をより使いやすくするためには、立て替え費用の負担を軽減するのが重要です。立て替え費用の負担の軽減方法として、以下の2つがあります。

  • 限度額適用認定証を用意する
  • マイナンバーカードを保険証として利用する

4.1 限度額適用認定証を用意する

限度額適用認定証は、医療機関の窓口で提示するだけで、窓口でも医療費の支払いが自己負担限度額までに抑えられる書類です。市区町村や健康保険組合など、自身が加入する公的医療保険に申請すれば、交付してもらえます。医療機関の受診前にあらかじめ申請して用意しなければならないのがネックですが、交付してもらえれば、医療費の立て替えをせずに済みます。

4.2 マイナンバーカードを保険証として利用する《マイナ保険証》

また、マイナンバーカードを健康保険証として利用するのも効果的です。マイナ保険証を医療機関のカードリーダーで読み取り「限度額情報の表示」に同意すれば、限度額適用認定証がなくても、医療機関窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。マイナ保険証に対応する医療機関を受診している人は、マイナンバーカードを保険証として使うことも検討してみましょう。

5. まとめ

高額療養費制度は、支払った医療費の一部が戻ってくるため、安心して医療を受けられます。とくにシニア世代は自己負担限度額が低めに設定されているため、制度を使う機会も多くなるでしょう。

一方、2024年には自己負担限度額の見直しについて議論がされました。当時は引き上げが凍結されましたが、今後再度動きがある可能性も考えられます。高額療養費に関する情報は、引き続き注視していく必要がありそうです。

参考資料

石上 ユウキ