3. 高額療養費制度で実際に払い戻される金額をシミュレーション

実際に高額療養費制度を使うといくら払い戻されるのか、シミュレーションしてみましょう。以下のケースを例に、計算していきます。

  • 年齢:70歳
  • 所得区分:年収156万〜約370万円
  • 窓口負担割合:2割
  • 1ヵ月の医療費(総額・保険適用):40万円

まずは、窓口で負担する金額を計算します。1ヵ月の医療費の総額は40万円、窓口で負担する割合は2割ですから、実際に支払ったお金は「40万円×2割=8万円」です。

次に、自己負担限度額を確かめます。「年収156万〜約370万円」の人の医療費の自己負担限度額は、前述のとおり1ヵ月あたり5万7600円です。

よって、払い戻される金額は以下のとおりです。

  • 8万円ー5万7600円=2万2400円

医療費総額が40万円、窓口で8万円を負担した場合、高額療養費制度を使えば2万2400円が戻ってきます。最終的な負担額は、限度額である5万7600円までで済むのです。

高額療養制度の利用時は、基本的に一旦自身で医療費を立て替えて、後日払い戻しを受けます。しかし、工夫すれば費用の立て替え自体が不要になります。次章では、制度をより使いやすくする工夫を解説します。