3. 【お金の手続き③】健康保険の加入の仕方で損しないために

定年退職後は会社の健康保険をそのまま利用できなくなるため、新しい加入先を選ぶ必要があります。

選択肢は主に「任意継続健康保険」「国民健康保険」「配偶者の扶養」の3つ。それぞれの特徴を理解して、自分や世帯にとってもっとも有利な方法を選びましょう。

3.1 任意継続健康保険

任意継続健康保険は、退職した会社の健康保険に最長2年間だけ継続して加入できる制度です。

保険料は在職中と違い、会社負担分も含めた「全額自己負担」となりますが、それでも国民健康保険より安くなるケースがあります。

特に医療給付の水準が高く、扶養家族の保障も維持できる点がメリットです。

ただし、2年間で打ち切りとなるため、その後の制度移行を見据えておく必要があります。

3.2 国民健康保険に加入する場合

市区町村が運営する国民健康保険に加入する方法です。

保険料は前年の所得に応じて計算されます。

ここで重要なのは、退職金は国民健康保険料の算定対象に含まれないという点です。

つまり、大きな退職金を受け取っても、保険料が急増する心配はありません。

ただし、年金やその他の所得が高いと保険料が高額になる可能性があるため、世帯収入全体を見ながら判断することが大切です。