5. ネット銀行の場合の注意点
ネット銀行も死亡を把握した時点で口座を凍結します。窓口がないため、相続手続きは郵送やオンライン申請中心となり、時間がかかる場合があります。
また、相続関連の問い合わせ窓口が限られるため、必要書類や手続きの流れを早めに確認することが重要です。
ネット銀行でも「払い戻し制度」は利用可能ですが、具体的な手続きは銀行ごとに異なるため、事前に確認しておくことが安心です。
5.1 事前にできる対策を考えておこう
事前の対策として、口座情報を家族と共有したり、エンディングノートに記録しておくことが重要です。
ネット銀行は利便性が高い反面、相続時の手続きが複雑になりやすいこと、また、どのネット銀行に口座があるのかわかりにくいため、スムーズな対応ができるよう準備をしておくと安心です。
6. まとめにかえて:相続トラブルを避けるために
死亡後に口座から無断で出金すると、他の相続人に不信感を与え、遺産分割協議に大きな影響を及ぼす可能性があります。
たとえ善意で行ったとしても、「なぜ勝手に出金したのか」と争いに発展するケースは少なくありません。そのため、相続人全員が納得できる透明性のある手続きで資金を扱うことが非常に重要です。
具体的には、銀行の葬祭費用払い戻し制度や預貯金の一部払い戻し制度、未支給年金や生命保険金の利用といった法的に認められた手段を活用することで、無理にATMで現金を引き出す必要はなくなります。
また、相続人全員で情報を共有し、手続きを透明化しておくことで、家族間の信頼を保ちながら必要な資金を確保することができます。
事前に制度や手続きの内容を確認して準備しておくことは、急な出費に対応するうえで大きな安心につながります。正しい方法で資金を管理することこそが、相続トラブルを防ぐ第一歩と言えるでしょう。
6.1 参考:エンディングノートってどんなの?
参考資料
和田 直子