12月に入り、本格的な冬の到来とともに、年末の慌ただしさもピークを迎えようとしています。そして、今月12月15日は年金支給日です。この日を心待ちにされているシニア世代の方も多いのではないでしょうか。
今回は、年金支給日を目前に控えた今、今のシニア世代が実際に受け取っている「厚生年金の平均月額」にスポットを当ててご紹介します。
- 今のシニア世代は平均でいくら受け取っているのか？
- 自分の将来受け取る年金はこれと比べてどうなりそうか？
これらの情報を知ることは、今後の家計管理や生活設計を具体的に考える上で非常に重要です。この機会に、ぜひ現在の平均額と向き合い、ご自身の未来の年金受給額について考えるきっかけとしてご活用ください。
1. 国民年金・厚生年金、しくみは2階建て構造
日本の公的年金制度は、ベースとなる 国民年金（基礎年金） と、上乗せ部分である 厚生年金 の組み合わせで成り立つため、「2階建て構造」と呼ばれています。まずはその基本を確認しましょう。
1.1 【1階部分】国民年金（基礎年金）
加入対象：日本に住む20歳～60歳未満のすべての人
保険料：全員同額（年度ごとに改定）
※2025年度の月額は 1万7510円
受給額：保険料を全期間（480カ月）納めた場合、65歳から満額
※2025年度の満額は 月額6万9308円
未納期間がある場合は、その分が差し引かれるしくみです。
1.2 【2階部分】厚生年金
- 加入対象：会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所（※3）に働き一定要件を満たす人が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料：収入に応じて（上限あり）決定される(※4)
- 受給額：加入期間や納付済保険料により、個人差が出る
2階部分の厚生年金は、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入します。国民年金と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決定方法、そして受給額の計算方法などが異なります。
そのため、老後に受け取る年金額にも、その方の加入状況や収入によって差が生まれます。
また、公的年金額は物価や現役世代の賃金の変動に応じて毎年度見直される仕組みとなっている点も重要なポイントです。
※3 特定事業所：1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者（短時間労働者は含まない、共済組合員を含む）の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額：標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算される
