年金を受給している方の生活を支援するため、所得が一定以下の方に「年金生活者支援給付金」という制度があります。
「年金生活者支援給付金」には3種類ありますが、そのうち新たに「老齢年金生活者支援給付金」の対象となる人には、9月に「年金生活者支援給付金請求書(ハガキ)」が送付されました。
こちらの請求書は「令和8年1月5日までに届くように」提出することが大切です。
この記事ではその理由や、どのような方が対象になるのか、いくら受け取れるのか、そしてどうすれば手続きができるのかを、わかりやすく解説していきます。
ご自身が対象になるか、この機会にぜひ確認してみてください。
1. 新たな対象者に9月に届いた「年金生活者支援給付金請求書(ハガキ)」令和8年1月5日までに届くよう提出を
毎年9月には、新たに年金生活者支援給付金の対象者となる人に「年金生活者支援給付金請求書(ハガキ)」が送付されます。
今年も9月に「年金生活者支援給付金請求書(ハガキ)」が送付されました。
まだ提出していない場合、令和8年1月5日までに届くように提出をしましょう。
令和8年1月5日までに請求書が届かなかった場合、「令和7年10月分から令和8年1月分の年金生活者支援給付金」は受け取れず、「請求した月の翌月分」からの支払いになります。
もう12月ですから、早めに手続きをおこないましょう。
2. 年金生活者支援給付金とは?
年金生活者支援給付金とは、年金受給者の生活を支える目的で創設された制度です。
対象となる人には、2カ月に1回、公的年金の支給日にあわせて年金生活者支援給付金が支給されます。
なお、年金生活者支援給付金は、基礎年金の種類に応じて「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類あります。
それぞれの所得要件を満たす基礎年金受給者が、この給付金の対象となります。
3. 年金生活者支援給付金の対象となる人とは?要件を確認
3種類の年金生活者支援給付金には、それぞれの支給要件が設定されています。3種類共通の基準は、受給者本人の「前年の所得」です。
老齢年金生活者支援給付金には、これに加えいくつかの要件が加わります。
3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件について
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
-
前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
3.2 障害・遺族年金生活者支援給付金の対象者
- それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)
※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く
それぞれの給付金において、上記の要件をすべて満たす場合、年金生活者支援給付金を受け取ることができます。
4. 年金生活者支援給付金の基準額はいくら?2025年度は2.7%増額
「年金生活者支援給付金」の給付額は、公的年金と同様に、年度ごとに見直しがおこなわれます。
4.1 2025年度における年金生活者支援給付金の給付額
2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年度より+2.7%引き上げられており、6月支給分の「4・5月分給付金」から増額率が適用されています。
各給付金の2025年度月額は以下の通りです。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
なお、老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。
5. 年金生活者支援給付金を受け取るための請求手続きとは?
「年金生活者支援給付金」は、公的年金と同様に請求手続きを行わないと、受け取ることができません。
該当する人が多い2つのパターンについて、請求手続きの方法を見ていきます。
5.1 ケース1:すでに年金を受給中で新たに支給対象となった方
- 例年9月の第1営業日から、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。必要事項を記入し、切手を貼って郵便ポストに投函します。
- 原則として、請求した月の翌月分からの支給となるため、早めの手続きをおすすめします。
なお、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた人は、電子申請による提出も可能です。電子申請を行った場合は、郵送での提出は不要です。
5.2 ケース2:これから老齢年金の受給を始める方
- 65歳になる3カ月前に、年金を受け取るために必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封され、「年金生活者支援給付金請求書」が入った封筒が届きます。
- 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金請求書と一緒に年金事務所へ提出します。
5.3 翌年以降の手続きは原則不要です
なお、一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り翌年以降の手続きは原則不要(※)となり、継続して受給することができます。
※年金生活者支援給付金は、毎年度、前年の所得情報等に基づき、継続支給の判定が行われます。継続支給の判定結果は、毎年10月分(支払いは12月)から1年間反映されます。
6. 年金受給額には個人差がある
厚生労働省年金局『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。
ただしグラフのように、厚生年金を月額30万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額1万円未満となる人まで、幅広い受給額ゾーンにちらばっています。
年金とその他の所得を含めても一定基準以下の所得となる場合、「年金生活者支援給付金」の支給対象となる可能性があります。
7. まとめにかえて
今回は、年金生活者支援給付金について、対象となる方の条件や金額、手続き方法などを解説しました。
この制度は、所得が一定基準以下であるなど、特定の要件を満たす年金受給者の生活を支えるための大切な仕組みです。
ご自身が対象になるかどうかわからない場合でも、日本年金機構から案内が届くことがありますので、見逃さないようにしたいですね。
また、はじめに確認した通り、新たに対象となる方は早めに手続きをしましょう。
年末を迎え、来年の家計について考えるこの時期に、利用できる制度について知識を深めておくことは、将来の安心につながります。
もし対象になる可能性があると感じたら、まずは年金事務所に相談してみるのも一つの方法です。
この記事が、あなたの豊かなセカンドライフの一助となれば幸いです。






