親や配偶者が亡くなった際、葬儀費用など急な支払いが必要となり「口座からATMで出金しておこう」と考える人は少なくありません。
しかし、死亡後の出金行為には法的リスクがあり、相続トラブルの火種となる可能性もあります。
本記事では、銀行口座の取り扱いルールや出金がNGとされる理由、そして正しい手続きの流れを解説します。
1. 「死亡届」提出で口座はどうなる?銀行口座が凍結される理由
銀行に死亡の事実が伝わると、故人名義の口座は凍結されます。
凍結とは、預金の出金や振込などすべての取引が停止することを指します。この措置は、
- 相続人以外の不正利用を防ぐ
- 遺産分割を公平かつ正しく行う
といった目的で行われます。
つまり、凍結は銀行が相続トラブルを未然に防ぐための安全策なのです。
1.1 凍結されるタイミングとタイムラグの危険性
銀行が死亡を把握するのは、通常「死亡届」や「戸籍謄本」が提出された後です。
そのため、提出前はATMで通常通り引き出せてしまう場合があります。
このタイムラグがあるため、急ぎの出金を考える人がいますが、法律や相続の観点からは非常に危険です。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元銀行員/一種外務員資格(証券外務員一種)/LIMOマネー編集部金融ライター
一種外務員資格(証券外務員一種)。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて後方事務や法人営業部門のアシスタント事務を経験。その後、三井住友信託銀行に転職し、資産運用アドバイザー業務に約10年間従事。
15年以上にわたり金融機関に在籍し、現役世代からシニア層、富裕層まで延べ1000名以上の個人顧客に対し、資産運用コンサルティングや承継対策を提案。表彰歴多数。現在は、株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア『LIMO(リーモ)』、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』にて企画・執筆・編集・監修を幅広く担当。
15年以上の金融機関キャリアに加え、自身も20年以上の投資経験(投資信託・株式・FX・金など)を持つ。金融のプロ・現役投資家・生活者(出産・育児経験)の3つの視点から、年金制度の仕組み、社会保障、NISAや住宅ローン、相続まで分かりやすく解説。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数獲得。【2026年6月29日更新】