4. 【住民税非課税世帯にならないシニアが活用したい優遇制度】④所得控除
65歳以上の方でも、所得控除を利用すると納税負担を軽減できる可能性があります。
所得控除とは、個人の事情に合わせて課税所得金額(税金計算の基礎となる金額)から一定の金額を差し引くことで、税負担が軽減できる仕組みです。
65歳以上の方に利用できる所得控除には、主に以下のようなものがあります。
4.1 【社会保険料控除】
- 納税者自身または生計を同じくする配偶者や子どもの社会保険料を支払った場合に、支払った金額の全額を所得控除できます。
4.2 【医療費控除】
- 1月1日から12月31日までの1年間に、自身または生計を同じくする配偶者や子どものために支払った医療費が一定額を超えるときに、その超過分の医療費が所得控除され、一部が還付されます。
4.3 【生命保険料控除】
- 生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った場合、所得税が最高12万円の控除を受けられます。
4.4 【雑損控除】
- 災害や盗難などにより資産が損害を受けた場合に、一定の金額を所得から控除できます。
各所得控除の要件に該当する場合は、忘れずに申告し税負担を軽減しましょう。
5. 優遇措置の受給要件に該当するものがないか確認しましょう
65歳以上のシニア世帯では、主な収入が厚生年金や国民年金のみになるケースが多く、たとえ生活が苦しくなったとしても簡単に収入を増やすことは難しいケースもあるでしょう。
本記事でご紹介したように、住民税非課税世帯に該当しなくても受けられる優遇措置があるため、受給要件に該当するものがないか確認してみましょう。
詳しい内容を知りたいときは、公式サイトを確認するか、各制度の担当窓口に問い合わせてください。
※LIMOでは個別の質問やご相談はお受けできません。
参考資料
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」
- 国税庁「生命保険料控除」
木内 菜穂子