1.4 年間利回りによる将来資産の差
今回は月額5万円の積立投資を15年間続けた場合について、年利回り1%、3%、5%の3パターンで最終的な運用益を計算しました。
結果として、年利1%の低金利でも15年後には71万円の運用益が発生することがわかりました。
さらに年利3%では235万円、5%では436万円と、利回りに比例して利益が大きく増加します。このことから、たとえ低金利環境でも、普通預金に預けるよりは積立投資の方がはるかに多くの利益を期待できることが明らかになりました。
ただし、このシミュレーションではすべてプラスの利回りで計算していますが、投資は元本保証ではありません。
価格の下落により利益が出ないだけでなく、投資した元本が減少する可能性もあることを忘れてはいけません。
このような元本割れのリスクも考慮した上で、自分自身が許容できる範囲内で積立額を決めることが重要です。
1.5 「年間利回り」の考え方
今回のシミュレーションで使用した「年間利回り」という言葉は、投資信託の積立投資と株式投資では少し意味が異なります。
株式投資の世界では、「利回り」と言うと多くの場合「配当利回り」を指します。これは「株価に対して、会社が年間に支払う配当金がどれくらいの割合か」を表すものです。例えば、株式を1万円分保有している場合、年間300円の配当があれば、配当利回りは3%となります。この配当利回りには、株価自体が上がることで得られる利益(値上がり益)は含まれていません。
一方、投資信託では配当金に相当するものが基本的に存在しないため、「利回り」と言えば基準価額の値上がり率を意味することが一般的です。
例えば「年間利回り5%」とは、1年間で投資信託の価値が5%増加することを指します。
しかし、投資信託の価値は市場の状況によって日々変動するため、「平均の年間利回り」は実際に売却するまで確定しません。今回のシミュレーションは「もしこの利回りで順調に資産が増えた場合」という仮定に基づく将来予測です。
つまり、最終的な資産価値を予測するための目安として利用しています。