2025年8月29日に厚生労働省「『令和6年度 医療費の動向』を公表します」によると、2024年度の医療費は48兆円、前年度に比べて約7000億円の増加と公表されました。
年々進む高齢化により、社会保障費は今後も増え続けると見込まれています。
保険料や税金の負担増、年金や医療サービスの見直しなどは、私たちの生活に直結する課題です。
そこで今回は、老後生活の柱となる年金の仕組みや、60歳~90歳以上の平均的な受給額について紹介します。
1. 年金制度の基本構造
日本の年金制度は「2階建て」の仕組みで、すべての人が加入する国民年金(基礎年金)を土台にし、その上に会社員や公務員などが加入する厚生年金が加わります。
1.1 【1階部分】国民年金(基礎年金)
- 対象者:日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
- 保険料:全員一律・2025年度は月額1万7510円
- 将来の受給額:40年間納めると65歳から満額支給
1.2 【2階部分】厚生年金
- 対象者:会社員や公務員などの給与所得を得ている人・パートやアルバイトでも一定の条件を満たすと加入
- 保険料:給与や賞与に応じて決まる
- 将来の年金額:加入期間や給与額に応じて金額が変わる。基礎年金にプラスして受け取る。
国民年金が老後の生活を支える最低限の保障を担い、厚生年金は働きながら収めることで将来の給付を手厚くします。
この組み合わせによって、一定の年金を受け取りつつ就労状況に応じた差も反映される仕組みです。