紅葉が盛りを迎え、澄み切った秋空の下に冬の足音が静かに近づいてきています。

本格的な寒さを迎える前に、防寒具や暖房器具など冬の準備をはじめる必要もあり、季節ならではの出費に家計が圧迫されやすくなっています。

こうした時、老後の生活を支える「公的年金」の重要性を改めて感じる方もいるでしょう。

「自分が将来いくらもらえるのか」「他の人はどれくらいもらっているのか」など、年金情報への関心は尽きません。

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造が基本です。

この記事では、厚生労働省が公表した最新のデータに基づき、60歳代~90歳以上の平均年金月額を1歳刻みでわかりやすくご紹介します。

ご自身の老後資金計画を練るための参考情報として、ぜひご活用ください。

1. 【公的年金のしくみ】「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造

【写真】厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

公的年金制度は「2階建て」になっており、1階部分にあたる「国民年金」の上に、2階部分にあたる「厚生年金」が積み上がっている構造です。

原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入するのは「国民年金」で、年金保険料(※1)は全員一律です。保険料を全期間(480月)納付すると、65歳以降で満額(※2)を受給できます。

もし未納期間があれば、その期間に応じて満額から差し引かれます。

一方、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入するのが「厚生年金」です。

収入に応じた年金保険料(※3)を納めます。受給額は、加入期間と在職中の収入に応じて計算されます。

基本的には、加入期間が長く、収入が高かった人ほど、将来受け取れる金額は多くなります(ただし上限あり)。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される