3. 家族構成別の最適な保険選択

ここからは、60代の保険の選び方やおすすめの保険について、ケース別にプロが解説します。

3.1 独身の場合の保険設計

独身の60代は、医療保険と三大疾病保険を核とした保険設計を検討しましょう。入院時の突発的な経済負担に備え、医療保険で入院保障を確保しておくと良いでしょう。

60代以降はがんを含めた三大疾病の罹患リスクが高まるため、一時金保障の三大疾病保険の検討もおすすめです。死亡保障は最低限の整理資金として100~300万円程度で十分なことが多いでしょう。

3.2 夫婦世帯の保険選択

夫婦のみの世帯では、お互いが介護者となる可能性を考慮した保険設計が必要です。両者とも同程度の医療保険に加入し、一方の入院時にもう一方が安心してサポートできる体制を整えておくとよいでしょう。通院時の交通費や付添費用も考慮し、医療保険に通院特約を付加することも有効です。余裕があれば三大疾病や介護保障付きの保険商品で、将来の長生きリスクにも対応するのもおすすめです。

3.3 子どもが独立していない世帯

60代で独立前の子どもがいる場合、現役世代同様の大きな保障が必要です。世帯主に万が一のことがあった場合の教育費と生活費を確保するため、死亡保険をしっかり確保しておくよう心がけましょう。保険料負担を抑えるため貯蓄性は重視せず、掛け捨て商品を中心に構成するのが良いでしょう。

4. 持病がある方の保険加入戦略

60代になると、健康に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。60代で持病がある人が保険に入る際のポイントについて紹介します。

4.1 引受基準緩和型保険の活用

持病があっても加入しやすい引受基準緩和型保険は、告知項目が3~5項目程度に限定されています。保険料は通常の保険よりも割高になりますが、持病の悪化も保障されるため健康に不安を抱えている人にとってはメリットもあります。

4.2 無選択型保険の検討

健康告知が不要な無選択型保険は、他の保険に加入できない場合の最終手段です。加入から1~2年間は保障額に制限があり、保険料も割高ですが、確実に保障を得られるメリットがあります。保障内容と保険料のバランスを慎重に検討し、必要最小限の保障額で加入することが重要です。