3. 【3つの背景に着目】なぜ日本で「富裕層・超富裕層が」増加傾向に?
なぜ日本では富裕層が増え続けているのでしょうか。
その背景として考えられる要因をいくつか整理してみます。
3.1 富裕層が増えている背景1:国内外の株価上昇
まず挙げられるのが、「国内外における株価の上昇」です。
米国の株式市場では、「ダウ工業株30種平均」や「S&P500」などの主要指数が示すとおり、短期的な上下はありつつも、長期的には上昇基調を維持してきました。
こうした株高は米国に限らず、世界的な動きといえます。
富裕層は、一般的な世帯と比べて株式の保有額が多く、また資産全体に占める株式の割合も高い傾向があります。
そのため、世界規模で続いてきた株価上昇が、富裕層の資産を大きく増やす要因の一つとなってきたと考えられるでしょう。
3.2 富裕層が増えている背景2:資産形成機会の拡大
2つ目の要因として考えられるのが、「非課税投資制度の拡充によって、資産形成の機会が広がったこと」です。
代表的な制度には、「NISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった税制優遇制度があります。
NISAは2014年に導入され、その後制度改正を経て、2024年からは「新NISA」として運用されています。
このように、非課税で投資できる枠が拡大してきたことで、個人が資産形成に取り組みやすい環境が整ってきました。
かつては投資に関心がなかった人でも、NISAをきっかけに運用を始めたケースもあるでしょう。
資産運用は利益が期待できる一方で、価格変動リスクや元本割れリスクなどが伴いますが、一定の成果を得ている世帯もあると考えられます。
3.3 富裕層が増えている背景3:相続や贈与によるもの
3つ目の要因として考えられるのが、相続や贈与を通じた資産の引き継ぎです。
日本では少子高齢化が進む中で、相続人の数が限られるケースが増え、一人あたりが受け取る遺産の金額が大きくなりやすい傾向にあります。
その結果、もともと富裕層ではなかった一般的な家庭であっても、親や祖父母からの相続をきっかけに多額の資産を保有し、富裕層に分類されるケースも少なくありません。
このように、株式市場の好調、資産形成の機会拡大、そして資産承継といった複数の要因が重なり合い、富裕層の増加につながっていると考えられます。
本人の意思とは別に、こうした環境変化の結果として富裕層となった人も含まれているでしょう。