2026年8月14日(金)は、年金支給日です。

老後に受け取る年金は、「どれくらいもらえるのか」「本当に生活できる水準なのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。

年金額は単純に年収だけで決まるものではなく、加入している制度や働き方によって大きく変わります。

とくに、国民年金のみか、厚生年金にも加入しているかによって、受給額には大きな差が生じます。

本記事では、日本の公的年金制度の基本を整理したうえで、「平均年収400万円・38年間勤務」という条件をもとに、将来の年金額目安を試算していきます。

また、実際の受給額の分布や、税金・社会保険料による控除の影響にも触れながら、老後資金の現実的な水準を確認していきましょう。

この記事の3つのポイント

  •  8月14日(金)は年金支給日
  •  平均年収400万円・38年勤務の年金は月額約13万6000円
  •  年収アップは将来の年金額アップにも直結する

将来、受けとる年金は「国民年金のみ?」・「厚生年金も?」

同じ平均年収400万円でも、38年間の就業期間中に厚生年金へ加入しているかどうかで、将来受け取る年金額は大きく変わります。

まずは、日本の公的年金制度の基本的な仕組みを確認しておきましょう。

公的年金は、1階部分の「国民年金(基礎年金)」と、その上に積み上がる「厚生年金」で構成されています。

  • 第1号被保険者:自営業、学生、無職など
  • 第2号被保険者:会社員、公務員
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度で、保険料は一律で設定されているため、受給額にも大きな差が生じにくい仕組みとなっています。

一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に加えて加入する制度です。

保険料は収入に応じて決まるため、将来受け取る年金額にも個人差が生じます。

次に、「平均年収400万円」「38年間勤務」という条件で、受け取れる年金額の目安を見ていきましょう。

以下の記事では公的年金のしくみについて詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

年金額を試算「平均年収400万円・38年勤務」の場合

ここでは、生涯の平均年収を400万円、民間企業で38年間勤務したケースを想定し、次の条件で年金額を試算します。

  • 2003年4月以降、厚生年金に38年間加入している
  • 国民年金は20歳から60歳までの40年間のうち、学生期間の2年間は学生納付特例(追納なし)とし、実質納付期間は38年とする
  • 配偶者および扶養家族はいない

厚生年金の受給額を試算

厚生年金は、次の計算式で算出されます。

年金額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額

経過的加算は、定額部分が老齢基礎年金額を上回る場合に差額を補う制度です。

また、加給年金額は一定の条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に支給されます。

今回の試算では、報酬比例部分のみを対象とし、経過的加算と加給年金額は含めていません。

報酬比例部分は、次の式で計算されます。

報酬比例部分の計算式2/5

報酬比例部分の計算式

出所:日本年金機構「は行 報酬比例部分」

報酬比例部分=A+B

  • A(2003年3月までの加入期間):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
  • B(2003年4月以降の加入期間):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

「平均標準報酬月額」は、2003年3月以前の厚生年金加入期間を対象とした数値で、各月の標準報酬月額の合計を加入月数で割って算出します。

一方、「平均標準報酬額」は、2003年4月以降の加入期間を対象に用いられるもので、標準報酬月額と標準賞与額の合計を加入月数で割って算出されます。

たとえば、2003年4月以降に38年間厚生年金へ加入し、生涯の平均年収を400万円と仮定した場合、賞与を含む年収を12カ月で割った約33万3000円を平均標準報酬額の目安として考えることができます。

この前提で簡易的に計算すると、厚生年金の受給額は年額で約83万円となります。

国民年金の受給額を試算

厚生年金に加入している人は「第2号被保険者」に該当するため、老後は厚生年金に加えて国民年金(老齢基礎年金)も受給することになります。

ここでは、年金の土台となる国民年金の受給額について見ていきましょう。

国民年金の受給額は、次の計算方法に基づいて算出されます。

老齢基礎年金の満額である84万7300円に、「保険料を納付した月数 ÷ 480カ月」を掛けて年金額を求めます(※昭和31年4月2日以後生まれの方が対象)

たとえば、22歳から60歳までの38年間(456カ月)保険料を納付していた場合、受給できる国民年金は年額約80万円となります。

前章で試算した厚生年金の年額約83万円と合わせると、「平均年収400万円」「38年間勤務」という条件では、老後に受け取る年金額は合計で年額約163万円、月額では約13万6000円となる計算です。

和田直子
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、給与所得者の平均給与は478万円で、4年連続の増加となりました。ただし、長らく平均年収は400万円台で推移してきた経緯があり、本記事の試算も400万円を目安としています。厚生年金は現役時代の収入に応じて増える仕組みのため、年収アップを目指すことは、日々の生活だけでなく、将来受け取る年金額を増やすことにもつながります。今のキャリアや働き方を見直す際は、こうした「年金への跳ね返り」も一つの視点として意識してみるとよいかもしれません。