物価高により現役世代だけでなく、年金をもらいながら生活しているシニア世代の家計も圧迫されています。

帝国データバンクの調査によると、2025年9月の飲食料品値上げは1422品目となり、前年同月よりも0.6%増加していることがわかりました。

この物価高のなか、シニア世帯はどのような暮らしをしているのでしょうか。

今回は、65歳以上無職世帯の「平均貯蓄額・1カ月の生活費・年金月額」はいくらなのかご紹介します。

また、世帯主が65歳以上の有職者世帯も含めた貯蓄の平均値・中央値も解説しますので、老後の家計について考える際の参考にしてください。

1. 【2025年9月の飲食料品値上げ】1422品目に!

帝国データバンクが8月29日に発表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2025年9月の飲食料品値上げは1422品目となり、前年9月(1414品目)から8品目・0.6%増となりました。

食品分野別にみると、家計への影響が特に大きい品目の値上げが目立ちます。

最も多かったのはたれ製品やソース、マヨネーズ、ドレッシング類を中心とする「調味料」(427品目)でした。

次いで各種冷凍食品や水産練り製品などの「加工食品」(338品目)となり、チョコレートやポテトチップス類といった「菓子」(291品目)が続きます。

いずれも食卓に欠かせないものばかりで、代替が困難な商品が目立ちます。

とくにマヨネーズやドレッシング、冷凍食品、お菓子類などは、購入頻度が高い家庭も多く、家計への打撃は避けられない状況といえるでしょう。

帝国データバンク カテゴリ別の値上げ品目一覧表

帝国データバンク カテゴリ別の値上げ品目一覧表

出所:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年9月

食品の値上げは、これで9カ月連続で前年同月を上回る結果となり、値上げラッシュが長期化している実態が浮き彫りとなりました。

単月でみても、9月の値上げは4カ月連続で1000品目を超えており、連続増加期間は統計開始の2022年以降で最長を更新しています。

さらに、2025年の値上げは11月までの公表分で累計2万34品目となり、前年実績(1万2520品目)を60.0%上回っています。

2023年(3万2396品目)以来、2年ぶりに2万品目を超える見込みで、値上げが長期化かつ大規模な動きとなっていることが見て取れます。

物価が上がり続けている今、今後の値上がりも視野に入れ、家計をやりくりしたり、手頃な商品を探したりするなど、暮らしを守るための工夫がこれまで以上に重要になっています。