11月に入り、街路樹の紅葉が深まり、年末に向けて家計や暮らしを見直す方も多いのではないでしょうか。そんな今、働く世代だけでなく、シニア世代にとっても「雇用保険」や公的年金の制度は、生活を守る大切な仕組みです。
最近は、定年後も働き続ける人が増え、失業や再就職に備える給付金や手当の活用が注目されています。一方、年金世帯では、物価高や医療費の負担増に対応するため、公的年金に上乗せして支給される給付を知っておくことが、家計の安心につながります。
制度は複雑に感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば、思わぬ支援を受けられることもあります。今回は、シニア世代も含めた「雇用保険」に関わる給付金や手当、そして年金世帯に上乗せされるお金について、わかりやすく解説していきます。
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1. 長寿時代、働くシニアも増加中
内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、65~69歳の男性の6割以上、女性の4割以上が就労中です。70歳代前半でも、男性の4割弱、女性の2割以上が仕事を続けています。
年齢を重ねるにつれて働く人の割合は少しずつ減少するものの、シニア全体で見ると就業率は徐々に高まっています。
一方で、60歳以降は給料が下がるケースが多く見られます。また、現役時代のように希望通りの仕事に就けなかったり、健康上の理由で働き続けることが難しくなったりすることもあるでしょう。
厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は、男性81.09年、女性87.13年。老齢年金世代である65歳以上のシニアにとって、「公的年金」と並んで「就労」は、長くなる老後の暮らしを支える重要な柱となっています。
次の章以降では、シニアを対象とする給付金や手当などのうち申請しないと受け取れない、「雇用保険関連のお金」と「公的年金に上乗せされるお金」について、整理してお伝えしていきます。