3.3 老齢基礎年金を満額もらえない人の注意点
20歳から60歳までに未納期間があったり、学生納付特例によって保険料の支払い猶予を受けて追納していない場合、老齢基礎年金は満額もらえません。
しかし、60歳以降に厚生年金に加入すると「経過的加算」が支給されるため、老齢基礎年金の満額に届かない分を一定程度カバーできます。
たとえば、20歳から60歳までの未納期間が5年、60歳以降の厚生年金加入期間が3年の場合、未納期間3年分の老齢基礎年金相当額(未納期間2年、厚生年金加入期間5年の場合は2年分)が、厚生年金に加算されます。
ただし、未納期間などがない人には加算はありません。
未納などがあっても厚生年金に長期間加入すれば、老齢基礎年金を満額受給した場合と同額の年金(老齢基礎年金は増えないが老齢厚生年金に加算)が受給できる可能性があります。
4. まとめ:月額15万円の年金を受給するのに必要な年収
平均並みの月額15万円の年金を受給するには、厚生年金加入期間によって次の平均年収が必要です。
- 厚生年金20年:約876万円
- 厚生年金30年:約584万円
- 厚生年金40年:約438万円
今回解説した計算方法を使えば、月額15万円に必要な年金額だけでなく受給額の概算も可能です。
大雑把な年金額の計算方法と、長期間厚生年金に加入すると年金額を増やせることを覚えておきましょう。また、長く働くことによって、年金の繰下げ受給も可能になります。
参考資料
西岡 秀泰