3. 年金額計算上の注意点3つ

老齢厚生年金の受給額を計算するとき、間違いやすい点や注意したい点を紹介します。

老齢基礎年金の計算より複雑なため、年金事務所での相談やねんきんネット(日本年金機構のインターネットサービス)の活用も検討しましょう。

3.1 平均年収の計算には注意が必要

厚生年金加入中の平均年収の計算には注意が必要です。主な注意点は次の通りです。

  • 国民年金加入期間は含まない
  • 手取りではなく支給額でみる
  • 20歳代など年収が少ない期間を含めて平均年収を計算する など

標準報酬月額と標準賞与額は、手取りではなく支給額を基に計算します。

そのほかにも、4月から6月の報酬を基に1年分を計算する、残業手当や通勤手当などを含めて計算する、など正確に計算するのは難しいことを前提に概算します。

さらに、年収は厚生年金加入中の平均額でみることに注意しましょう。

現在の年収が高くても、入社以来の平均年収はそれを下回るのが一般的です。

3.2 高所得者に計算式は当てはまらない

標準報酬月額と標準賞与額には以下の上限があるため、高所得者の平均標準報酬額は平均年収の1/12では概算できません。

  • 標準報酬月額の上限:65万円(2025年度)
  • 標準賞与額の上限:支給1回あたり150万円

給与と賞与の支給割合などによって異なりますが、年収1000万円を超える人は注意しましょう。