2. 月額15万円の年金を受給するのに必要な年収

前述の年金額の計算式を使って、月額15万円の年金を受給するのに必要な年収をシミュレーションしてみましょう。

老齢基礎年金が満額の約7万円と仮定すると、月額15万円の年金を受給するには老齢厚生年金は約8万円(年額96万円)必要です。

老齢厚生年金の計算式に「受給額96万円」を当てはめると、次の計算式が成り立ちます。

  • 96万円=平均標準報酬額×5.481/1000✕厚生年金の加入月数

厚生年金の加入月数によって平均標準報酬額は変わります。加入月数別に月額15万円の年金を受給するための平均年収を計算すると次の通りです。

2.1 【早見表】月額15万円の年金を受給するための平均年収

出所:筆者試算・作成

  • 加入期間540ヶ月(45年):平均標準報酬額約32万円・平均年収約389万円
  • 加入期間480ヶ月(40年):平均標準報酬額約36万円・平均年収約438万円
  • 加入期間420ヶ月(35年):平均標準報酬額約42万円・平均年収約500万円
  • 加入期間360ヶ月(30年):平均標準報酬額約49万円・平均年収約584万円
  • 加入期間300ヶ月(25年):平均標準報酬額約58万円・平均年収約701万円
  • 加入期間240ヶ月(20年):平均標準報酬額約73万円・平均年収約876万円


平均年収が900万円あれば、加入期間が20年でも平均的な受給額を受け取れる一方、年収が400万円前後だと40年以上加入しないと平均額に届かないことがわかります。

年金額を増やすために急に年収を上げることは難しいため、定年後も仕事を続けるなど加入期間を増やすことが現実的な対応といえるでしょう。