2. 【富裕層のお金が増えていく理由①】資産市場の成長と株式・外国資産への投資に強い

富裕層の資産が増えやすい最大の要因のひとつは、成長する資産市場を背景に積極的な投資ができることです。

株式や投資信託、不動産など複数の資産に分散投資を行うことで、リスクを抑えながら値上がり益を狙える環境が整っています。

とくに近年は、日経平均株価の上昇や世界的な株高、そして円安によって外貨建て資産の評価額が膨らみ、富裕層の資産増加に大きく寄与しました。

また、資産額が大きいほど市場の上昇局面で得られるリターンも比例して拡大します。

たとえば数百万円の投資では数%の値上がりでも限定的な利益にとどまりますが、数千万円~数億円規模の投資では同じ数%でも莫大な含み益につながります。

つまり「資産規模の大きさ」そのものが、富裕層の資産増を加速させる大きなレバレッジになっているのです。

種類別金融商品保有額

種類別金融商品保有額

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

上記の表は収入別・種類別に資産を調べた結果です。

金融資産保有額の全国平均は1374万円、うち預貯金は582万円で債券66万円、株式260万円、投資信託155万円で計481万円を投資にまわしています。

年収1200万円以上の世帯に絞ると、預貯金は1781万円、債券195万円、株式872万円、投資信託437万円で計1504万円となっています。

金融資産に占める投資割合は全国平均・高所得世帯ともに約35%とほぼ同じですが、投資額そのものには約3倍の差があります。

同じ水準のリスクを取った場合でも、投資額が大きければリターンも大きくなるため、富裕層のお金がさらに増えていくのは自然な流れといえるでしょう。