「富裕層」と聞くと、豪邸や高級車、さらにはプライベートジェットで世界を飛び回るような、一部のセレブを思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、日本国内には目立つことなく資産を着実に増やしている「隠れた富裕層」も存在します。彼らはどんな経済環境でもお金を増やし続けていますが、その理由は派手な生活ではなく、緻密で戦略的なお金の管理術にあります。
本記事では、富裕層のお金が増え続ける5つの理由を、元銀行員の視点から解説します。一般の会社員や自営業の方でも参考にできるヒントが満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 「富裕層」とは?年々増加している日本の富裕層を詳しく紹介
野村総合研究所の推計によれば、金融資産1億円以上を保有する「富裕層」と5億円以上を保有する「超富裕層」を合わせると、全国で約165万世帯。
2023年時点で日本の総世帯数は約56215世帯あるため、全世帯の約3%を占めています。(出所:総務省「令和5年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」)
その保有資産総額は約469兆円と、国家予算を上回る規模に達しており、日本経済に与える影響は無視できません。
さらに、この層は年々増加傾向にあります。
2019年の時点での推計から比較しても、富裕層世帯数・資産総額ともに拡大しており、背景には株式市場の上昇や円安による外貨資産の評価益、不動産価格の上昇といったマクロ経済環境が存在します。
また、相続や資産承継を通じて若い世代への富の移転も進み、富裕層のすそ野は今後さらに広がると見込まれています。
こうした現状を踏まえると、富裕層はもはや「一握りの特別な存在」というより、経済構造を左右する重要なプレイヤーといえるでしょう。