厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金と厚生年金の平均月額は以下の通り。
国民年金《平均年金月額》
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
厚生年金《平均年金月額》
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
国民年金のみでは5万円台。厚生年金は加入期間だけでなく、収入に応じて納めた保険料で決まるため、10万円を超えるものの男女で約6万円の差があります。
女性は育児などで働き方をセーブしたり、男性に比べて賃金が低かったりするもの。それゆえ、男性に比べると老後の年金受給額が低い場合も少なくありません。
結婚生活の中で離婚が頭によぎる方もいると思いますが、「離婚したら年金はどうなるの?」「ひとりで老後生活できる?」と悩まれる方もいるでしょう。今回は離婚時との年金分割と、実際に筆者が離婚をして年金分割を行った時の体験談をご紹介します。
1. 離婚したら年金はどうなる?離婚時の「年金分割」とは
日本の年金は国民年金と厚生年金の2階建てとなっています。
国民年金は20歳以上60歳未満であれば原則全員が加入し、厚生年金には会社員や公務員、また特定適用事業所に勤め一定要件を満たしたパートの方などが加入しています。
たとえば「会社員の夫とパートで国民年金の妻」であれば、離婚すると女性の方が年金額が少なくなります。その差を調整するのが「年金分割制度」であり、婚姻期間中に築いた財産は夫婦の共有財産とされ、収入が多い方の年金を分割することになります。
注意したいのは、分割の対象となるのは「厚生年金保険の婚姻期間中の保険料納付実績」となること。
年金分割には次の2種類があります。