物価高や年金への不安が高まる現代においては「できるだけ長く働き続けよう」と考える人も多いでしょう。仕事を続ければ収入が得られ、貯蓄ができる可能性もありますし、また生活にメリハリがついたり、社会との繋がりができたりといったメリットもあります。
一方で、自身に合った「年齢を重ねても働き続けられる仕事選び」をすることも重要です。
年齢を重ねるほど、現役時代と同じようには働けなくなるもの。「60歳代のキャリアや働き方」については現役時代から考えて、備えていきたいものですね。
特におひとりさまはひとりで自身の老後に備える必要がありますから、老後のキャリアとお金については早くから考えたいもの。今回は現代の65歳以上が働く業種や、リタイアする人が多い70歳代のお金事情についてみていきます。
1. 「65歳以上の仕事」増えている業種は?
就業率を総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によれば、65歳以上で働く人の割合は25.7%。
年齢別にみると65~69歳の53.6%、70~74歳の35.1%、75歳以上の12.0%が仕事をしています。60歳代後半で働く人は過半数となり、70歳代前半でもおよそ3人に1人が働いていますね。
65歳以上の就業者数を業種別で見た場合、多い順には「卸売業、小売業」が133万人、「医療、福祉」が115万人※1、「サービス業(他に分類されないもの)」が104万人※2、「農業、林業」が93万人、「製造業」88万人、「建設業」80万人などとなっています。
※1そのうち「社会保険・社会福祉・介護事業」が75万人、「医療業」が38万人など。
※2そのうち「その他の事業サービス業」(建物サービス業、警備業など)が74万人など。
10年前に比べると、「医療、福祉」、「サービス業(他に分類されないもの)」、「卸売業、小売業」、「建設業」などで働くシニアが増えています。また、「農業、林業」以外の全ての業種で就業者数が増えていることはわかります。
現代では働き方や職種なども多様化していますから、長く働く予定の方はどのような働き方をしたいか、現役時代から考えてみましょう。