総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によれば、65歳上の人口が総人口を占める割合は1950年以降増加しており、1985年に10% 、2005年に20%を超え 、2025年は29.4%で過去最高を更新へ。2040年には34.8%になると推計されています(2025年9月14日公表)。
最近ではおひとりさまとして生きる方も増えています。ひとりの老後は自分で生活やお金面の対策をしていく必要がありますが、物価高などが続く昨今ではお金の不安を抱える方もいるでしょう。
今回は現代シニアの貯蓄額や生活費、年金収入について詳しくみていきます。「60歳代の貯蓄額はどれくらいが普通か?」「老後の生活費の平均はどれくらいか?」これまで詳しく考えてこなかった方は確認し、老後資金について考えましょう。
1. おひとりさまの老後「老後の生活費はいくら?」60歳代・貯蓄額の中央値は350万円
まずは65歳以上のおひとりさまの生活費と貯蓄額を見ていきます。
平均的な生活費や貯蓄額を把握しておくことで、今後の計画も立てやすくなるでしょう。
また、リアルな数字を知ることで生活を見直すきっかけにもなるかもしれません。
1.1 65歳以上単身世帯の月の生活費
総務省統計局が公表した「家計調査報告家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身世帯の生活費は16万1933円でした。
内訳は、以下のとおりです。
- 消費支出:14万9286円
- 非消費支出:1万2647円
さらに、消費支出の内訳は以下のとおりとなっています。
- 食料:4万85円
- 住居:1万2693円
- 光熱・水道:1万4490円
- 家具・家事用品:6596円
- 被服及び履物:3385円
- 保健医療:8640円
- 交通・通信:1万4935円
- 教育:15円
- 教養娯楽:1万5492円
- その他の消費支出:3万956円
平均的な生活をすると上記のような支出が発生するわけですが、みなこの金額に収まるというわけではないため、鵜呑みにしすぎないようにしましょう。
たとえば、住居費が1万円となっていますが、1万円台で住める賃貸を探すのは簡単ではありません。そのため、賃貸なら住居費をもう少し多めに見積もっておく必要があるでしょう。
このように細かい部分の金額はライフスタイルによって変わるため、あくまで参考程度にとどめておくといいかもしれません。