9月15日は敬老の日。敬老の日はお年寄りを敬い、また長寿を祝う日です。
敬老の日を機にご自身の老後について思いを馳せる方もいるでしょう。厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」によれば、日本の平均寿命は男性81.09歳、女性で87.13歳で日本の平均寿命は基本的に年々伸びています。
長いだろう老後について考える際、やりたいことなどの他に生活の基盤である「お金」についても考えておきたいもの。老後の生活を支えてくれるのが貯蓄と年金です。
現代は70歳を過ぎるとリタイアする方が多いですが、リタイア前の60歳代でどれくらい貯蓄を保有しているのか詳しくみていきましょう。
1. 60歳代の平均貯蓄額と平均年金月額はいくら?
早速ですが、60歳代の貯蓄と平均年金月額を見ていきましょう。
今回は、金融経済教育推進機構のデータである「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」と厚生労働省年金局が公表している「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に解説します。
1.1 60歳代・二人以上世帯の貯蓄
まず、金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を確認すると、60歳代かつ二人以上世帯がどれくらい貯蓄を持っているのかわかります。
内訳は、以下のとおりでした。
- 金融資産非保有:20.5%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満:5.3%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:20.0%
- 無回答:3.6%
貯蓄が3000万円以上あると安心できると思う方もいると思いますが、貯蓄3000万円以上の世帯は20.0%。
一方で、金融資産非保有世帯と100万円未満の世帯をあわせると全体の25%を超える結果となっています。つまり、5人に1人は貯蓄3000万円以上ですが、4人に1人は貯蓄100万円未満となっており、早くからの備えが重要でしょう。
ちなみに、60歳代の貯蓄の平均値は2033万円、より実態に近い中央値は650万円でした。