夕暮れが少しずつ早まるこの季節。これから就職活動を控えている方や、キャリアについて改めて考え始めた方もいるのではないでしょうか。
1990年代から2000年代初頭にかけての長期不況により、当時の学生たちは深刻な就職難に直面しました。
この時代に社会へ出た人は「就職氷河期世代」と呼ばれ、厳しい雇用環境や不安定な働き方の影響を現在も受けています。
そんな「就職氷河期世代」と呼ばれた人たちも、いまや40〜50歳代となり、老後の生活設計や資金準備について現実的に向き合う時期に入っています。
では、就職氷河期世代の人たちはどのような収入や貯蓄の状況にあるのでしょうか。
本記事では、40〜50歳代にあたる就職氷河期世代の「年収」と「貯蓄状況」について詳しく見ていきます。
1. 【40歳代・50歳代】就職氷河期世代の「平均年収」はいくら?
国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態調査」によると、40歳代・50歳代の全体の平均年収は下記のとおりです。
【40歳代 全体の平均年収】
- 40〜44歳 全体の平均年収:501万円
- 45〜49歳 全体の平均年収:521万円
【50歳代 全体の平均年収】
- 50〜54歳 全体の平均年収:540万円
- 55〜59歳 全体の平均年収:545万円
給与所得者全体の平均年収は「460万円」であり、就職氷河期世代の収入は比較的高めといえます。
ただし、これは「正規・非正規」や「男女」の区別をせずに算出された全体の平均値にすぎません。
では、雇用形態や性別によってどの程度の差が生じているのでしょうか。
1.1 【40歳代・50歳代】平均年収は「男性・女性」でどれほどの差がある?
国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態調査」によると、40歳代・50歳代の男女別の平均年収は下記のとおりです。
【40歳代・50歳代 男性の平均年収】
- 40〜44歳:612万円
- 45〜49歳:653万円
- 50〜54歳:689万円
- 55〜59歳:712万円
【40歳代・50歳代 女性の平均年収】
- 40〜44歳:343万円
- 45〜49歳:343万円
- 50〜54歳:343万円
- 55〜59歳:330万円
男性は30歳代以降になると平均給与が全体の平均年収を上回り、50歳代後半でピークを迎えて「712万円」に達します。
この年代は昇進やキャリアの積み上げが進む時期にあたり、20〜30歳代に比べて給与水準が高くなる傾向があるのでしょう。
一方、女性はどの年代においても全体の平均年収を下回り、40歳代・50歳代でも平均給与は300万円台にとどまっています。
その背景には、出産や子育てをきっかけに正社員からパート勤務、あるいは専業主婦へと働き方を変えるケースが多いことが影響していると考えられます。
では、「正規・非正規」で平均賃金を見た場合、どれほどの差があるのでしょうか。