4. 生活扶助の今後の見通し

厚生労働省の「社会保障審議会生活保護基準部会」では、2027年度以降の生活扶助基準について次のとおり検討されています。

今後の社会経済情勢等の動向を見極めつつ、一般低所得世帯の消費実態との均衡を図る観点から必要な対応を行うため、令和9年度予算の編成過程において改めて検討

引用:厚生労働省「令和5年度以降の生活扶助基準の見直しについて」

現在も物価の上昇は続いており特別加算などの物価高対策が継続する可能性もありますが、「健康で文化的な最低限度の生活」を維持しつつ、生活保護を受けない低所得世帯の消費額の範囲内で支給水準が決められます。

5. まとめにかえて

近年の物価高対策として、2025年10月より2年間の臨時的措置として「1人あたり月1500円」の特例加算が追加支給されます。

2023年10月に始まった特例加算に、500円を上乗せした水準です。

生活扶助の支給水準は原則5年に1度、定期検証をすることになっていますが、物価変動などで生活保護受給者の生活に悪影響が出ないように臨時的措置が取られることもあります。

制度を理解して有効活用しつつ、経済的自立に取り組みましょう。

参考資料

西岡 秀泰