5. 【老後資産の作り方】分散投資で安定した資産形成を目指そう

近年、インターネットで簡単に証券口座を開設できるようになり、新NISAの登場もあって、投資を始めるハードルは大きく下がりました。

主な金融商品

主な金融商品

出所:金融庁「主な金融商品」

資産運用を考えるうえで欠かせないのが「リスクとリターンの関係」です。基本的にはリスクが高いほど大きな利益を狙えますが、その分損失の可能性も高まります。

たとえば、銀行預金は安全性が高い一方で利息はごくわずか。逆に株式投資では大きな収益を得られるチャンスがあるものの、景気の悪化や企業業績の変化によって株価が下落するリスクも抱えています。

その中間に位置するのが債券です。株よりも安定している一方、リターンはやや控えめ。NISAでは個別の債券を直接購入できないため、投資するなら債券型の投資信託を利用するのが一般的です。

投資信託は、プロが多数の資産に分散投資してくれる仕組みで、少額から始められるのが魅力です。株式や債券、不動産投資信託(REIT)、金など、商品によって投資対象や地域はさまざま。複数の資産を組み合わせた「バランス型ファンド」なら、より幅広い分散投資が可能です。

このように、個人でも手軽に多様な資産へ投資できます。老後資金づくりにおいては、一つの資産に偏るのではなく、複数に分散させることでリスクを抑えながら安定した資産形成を目指しましょう。

6. まとめにかえて

本記事では、年代ごとの平均貯蓄額や中央値を取り上げてきました。

将来に向けて安心できる生活を築くには、場当たり的ではなく計画的に貯蓄や資産形成を進めることが欠かせません。資産運用についても触れましたが、最も重要なのは「できるだけ早く始めて、長く続ける」ことです。

まとまった金額でなくても構いません。毎月の積み立てや小さな一歩を積み重ねることで、将来の安心につながります。大切なのは「始める勇気」と「続ける習慣」です。今日からできる範囲で取り組んでみてはいかがでしょうか。

参考資料

中本 智恵