2. 【繰上げ受給】選ぶ人は「ごく少数」圧倒的多数が選ぶのは?
実際に年金を受け取っている人は、どのような選択をしているのでしょうか。厚生労働省の資料によれば、令和5年度末時点で老齢厚生年金を受給している人のうち、「繰上げ」を選んだ人は全体の0.9%にとどまります。一方、「繰下げ」を選んだ人は1.6%。結局のところ、9割を超える人が65歳からの受給を選んでいるのが現状です。
注目したいのは、繰下げを選択する人の割合が少しずつ増えてきている点です。長寿化の進展や老後資金への不安から、「年金を増額して将来に備えたい」と考える人が増えていると考えられます。
これに対して、繰上げを選ぶ人はごく少数派のままです。早めに受け取りたいというニーズは一定数ありますが、一度選ぶと大幅な減額が一生続くため、多くの人が慎重になっているといえるでしょう。こうした受給行動を踏まえると、「繰上げを選んだ場合に本人や配偶者にどんな影響が及ぶのか」を理解しておくことが重要です。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)