近頃、筆者のまわりでは「電話よりLINEのほうが楽」という声をよく耳にします。

とくに若者、Z世代は電話を避ける傾向にあると言われていますが、その背景にはどのような理由があるのでしょうか。

今回はZ世代の電話離れについて考察し、最後に日本での電話などの通信時間について解説します。

1. 電話に苦手意識をもっているのはZ世代の何割? 若者の「電話離れ」の現状

Jiffcyが行ったZ世代の「電話離れ」に関する意識調査を見ていきましょう。

1.1 調査概要

  • 期間:2025年7月25日~2025年8月6日
  • 調査対象者:Z世代
  • 調査方法:インターネット調査
  • 有効回答数:315名

※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が 100%にならない場合があります。

1.2 Z世代の約4割が「電話に苦手意識」をもっている

回答結果「電話に対して苦手意識を感じていますか?」

  • とても苦手意識を感じている:13%
  • 苦手意識を感じている:27.6%
  • 苦手意識を感じていない:26.7%
  • まったく苦手意識を感じていない:32.7%

「電話に対して苦手意識を感じていますか?」という問いに対して「とても苦手意識を感じている」と回答した人が13.0%にのぼりました。

「苦手意識を感じている」と合わせると、Z世代の40.6%が電話に対して苦手意識を抱えています。

Z世代にとって電話はただの連絡手段ではなく「緊張するイベント」になりがちなのかもしれません。相手の反応がすぐ返ってくることが怖さにつながっている可能性もあります。

次の章では、Z世代が電話を苦手と感じる具体的な理由を見ていきましょう。

2. 4人に3人が電話に緊張…Z世代の「電話を苦手に思うホンネ」を深堀り

Z世代が電話を苦手に思う理由として最も多かったのは「緊張するから」で75.8%をマークし、他の選択肢を圧倒。

次いで「慣れていないから」39.8%、「周りに話し声が聞かれるから」38.3%と続きます。

2.1 75.8%が緊張…Z世代が思う「電話が苦手な理由」とは

回答結果「電話が苦手な理由は何ですか?」

  • 緊張するから:75.8%
  • 慣れていないから:39.8%
  • まわりに話し声が聞かれるから:38.3%
  • 話したいことが伝わりにくいから:28.1%
  • 相手の機嫌がわからないから:25.8%
  • 相手の声が聞こえにくいから:24.2%
  • 時間が奪われるから:7.0%
  • その他:0.8%

電話は突然のコミュニケーションだからこそ準備ができず、相手の時間を奪ってしまう感覚もプレッシャーになっているようです。だからこそ、避けたい気持ちが強くなっているといえるでしょう。

回答結果をみると、電話をかけること自体に心理的なハードルを感じている人が多いようです。

2.2 「電話で嫌な気持ちになったことがある」Z世代、気になる割合は?

電話がかかってきて嫌な気持ちになったことはありますか?3/6

電話がかかってきて嫌な気持ちになったことはありますか?

出所:8月7日「話す日」にちなみ、JiffcyがZ世代の「電話離れ」に関する意識調査を発表|株式会社穴熊

回答結果「電話がかかってきて嫌な気持ちになったことはありますか?」

  • よくある:6.3%
  • 時々ある:36.5%
  • あまりない:35.9%
  • まったくない:21.3%

また、電話がかかってきて嫌な気持ちになった経験について「よくある」が6.3%、「時々ある」が36.5%で計42.8%にのぼりました。

電話は相手の都合が見えないため突然かかってくることも多く、ストレスを感じていることがわかります。

こうした苦手意識の背景には、電話以外のコミュニケーション手段が広く普及していることも関係しているかもしれません。電話に代わる選択肢が身近にあるからこそ「避けられるなら電話しない」考え方が浮かんでくるものです。

次の章では、Z世代が実際にどんな連絡手段やツールを選んでいるのかを見ていきましょう。

3. Z世代の「電話の代替手段」、テキストコミュニケーションが主流となるワケ

それでは、Z世代は電話の代わりに何を使っているのでしょうか。

3.1 Z世代の94.6%がLINEを利用!「電話の代替手段」はメッセージアプリ

回答結果「普段電話の代わりに何を使っていますか?」

  • LINE:94.6%
  • Instagram:66.0%
  • Jiffcy:42.9%
  • X:7.6%
  • Messenger:4.1%
  • Discord:2.0%
  • TikTok:1.2%
  • その他:0.6%

「普段電話の代わりに何を使っていますか?」という質問に対し、94.6%が「LINE」と回答。次いで「Instagram」が66.0%をマークしており、日常的なコミュニケーションツールとしてメッセージアプリが圧倒的に利用されているとわかります。

回答のなかには、Z世代の間で普及しはじめているテキスト通話アプリ「Jiffcy」もランクイン。電話とメッセージの中間的なコミュニケーション手段として浸透しつつあるようです。

文字でのやりとりは「自分のタイミングで返せる」安心感があります。LINEやInstagramは単なる便利さからではなく、自分や相手の時間を尊重するコミュニケーションの形として受け入れられているのかもしれません。

3.2 テキスト通話を選ぶ理由は「緊張」の有無、電話の裏返しともいえるホンネ

回答結果「電話よりもテキスト通話を選ぶ理由は何ですか?」

  • 緊張しないから:63.6%
  • まわりに話し声が聞かれないから:44.4%
  • 話したいことが伝わりやすいから:39.9%
  • 相手の声を気にしなくていいから:31.8%
  • 慣れているから:26.8%
  • 相手の機嫌がわかりやすいから:13.1%
  • 時間があまり奪われないから:10.6%
  • その他:8.0%

電話よりもテキスト通話を選ぶ理由として最も多かったのは「緊張しないから」(63.6%)。電話が苦手な理由と共通しています。全体として、心理的ハードルの低さが大きな背景となっているようです。

次の章では、Z世代を含む日本国内での通話量の変化を総務省のデータから紐解いていきましょう。

4. 国内の音声通話時間は10%以上減少…日本全体の利用状況

Z世代では苦手意識から「電話離れ」が進んでいるとわかりました。では、日本全体での通話等の通信量はどのように変化しているのでしょうか。

総務省が発行する「通信量からみた我が国の音声通信利用状況【令和5年度】」によると、国内の総通信時間は2019(令和元)年度の2925.0百万時間から、2023(令和5)年度には2511.5百万時間へと減少しています。

内訳としては、固定系発信はこの期間で357.3百万時間から200.0百万時間へと14.8%減少。IP電話発信は473.5百万時間から418.4百万時間へと7.0%減少。

また、携帯電話・PHS発信も2094.2百万時間から1893.0百万時間へと11.4%減少しています。つまり、固定電話・IP電話・携帯電話すべてで通話時間が減少傾向にあります。

「電話離れ」はZ世代だけでなく社会全体で進行中。従来の音声通話から、メッセージアプリやSNS、テキスト通話など多様なコミュニケーション手段へと移る流れは、世代を超えた新しい常識になりつつあるといえるでしょう。

5. まとめにかえて

Z世代の約4割が電話に苦手意識を持っており、主な原因として「緊張するから」や「周りに聞かれるから」といった心理的なハードルが多く挙げられました。一方、電話の代わりとしてLINEなどのメッセージアプリが圧倒的に利用されており、最近では「テキスト通話アプリ」も普及しはじめています。

Z世代の電話離れは単なる苦手意識ではなく、相手との関係性を考えた選択の変化かもしれません。Z世代は自分たちなりの心地よい距離感を模索しているといえるでしょう。

「電話離れ」という現象は、SNSやメッセージアプリといったコミュニケーションツールの多様化と心理的負担を軽減したいというニーズから生まれた変化といえそうです。

参考資料

LIMO・U23編集部