4. 国内の音声通話時間は10%以上減少…日本全体の利用状況
Z世代では苦手意識から「電話離れ」が進んでいるとわかりました。では、日本全体での通話等の通信量はどのように変化しているのでしょうか。
総務省が発行する「通信量からみた我が国の音声通信利用状況【令和5年度】」によると、国内の総通信時間は2019(令和元)年度の2925.0百万時間から、2023(令和5)年度には2511.5百万時間へと減少しています。
内訳としては、固定系発信はこの期間で357.3百万時間から200.0百万時間へと14.8%減少。IP電話発信は473.5百万時間から418.4百万時間へと7.0%減少。
また、携帯電話・PHS発信も2094.2百万時間から1893.0百万時間へと11.4%減少しています。つまり、固定電話・IP電話・携帯電話すべてで通話時間が減少傾向にあります。
「電話離れ」はZ世代だけでなく社会全体で進行中。従来の音声通話から、メッセージアプリやSNS、テキスト通話など多様なコミュニケーション手段へと移る流れは、世代を超えた新しい常識になりつつあるといえるでしょう。
5. まとめにかえて
Z世代の約4割が電話に苦手意識を持っており、主な原因として「緊張するから」や「周りに聞かれるから」といった心理的なハードルが多く挙げられました。一方、電話の代わりとしてLINEなどのメッセージアプリが圧倒的に利用されており、最近では「テキスト通話アプリ」も普及しはじめています。
Z世代の電話離れは単なる苦手意識ではなく、相手との関係性を考えた選択の変化かもしれません。Z世代は自分たちなりの心地よい距離感を模索しているといえるでしょう。
「電話離れ」という現象は、SNSやメッセージアプリといったコミュニケーションツールの多様化と心理的負担を軽減したいというニーズから生まれた変化といえそうです。
参考資料
LIMO・U23編集部