来月10月は年金の支給月。10月15日には、8月と9月の2か月分の年金が振り込まれます。
年金制度は高齢者の生活を支える大切なインフラです。無くてはならないものですが、実際に受け取れる年金額はいくらなのか、その額で安心した暮らしができるのか、気になる方も多いでしょう。
そこで今回の記事では、年金制度のおさらい、現代のシニアが受け取っている厚生年金・国民年金の平均受給額について詳しくお伝えします。
1. 日本の年金制度をおさらい
まずは、日本の年金制度をあらためて確認していきましょう。
1.1 日本の年金制度は「2階建て構造」
日本の公的年金制度は「2階建て構造」とも呼ばれ、すべての国民が加入する国民年金と、会社員や公務員などが加入する厚生年金から成り立っています。
国民年金は「基礎年金」とも言い、1階部分に相当します。基礎年金に上乗せされる厚生年金は2階部分になります。
また、厚生年金被保険者が企業年金やidecoに加入していると、これらは3階部分になります。国民年金加入者の場合、国民年金基金やiDeCo、付加年金などが2階から3階に相当します。
国民年金は20歳から60歳までの40年間(480か月)を満額納付することで、月額6万9308円(令和7年度の国民年金額例)を受給できます。一方、会社員や公務員が加入する厚生年金は、給与・賞与や加入期間に応じて受給額が変動し、現役時代の働き方や給与水準が年金額に影響します。
年金は偶数月の15日に、前月と前々月の2か月分がまとめて振り込まれる仕組みです。つまり、2025年8月15日に支給されるのは、6月と7月分の年金ということになります。
この「後払い方式」は意外と知られていないポイントです。たとえば、年金額は毎年度改定されますが、新たに改定された額が受け取れるのは6月の支給分からとなります。