2. 日本の公的保険制度は優秀!社会を守る「4つの制度」

日本は少子高齢化が進んでおり、今後社会保険制度の改悪が進んでいくと考えられます。今後の人口動態を考えると、社会保険制度を維持するための制度改正は致し方ありません。

改悪が起こるたびにバッシングが起こるため、日本の社会保障制度は各国と比較すると劣っているように感じるかもしれません。

しかし、何かとネガティブな印象を持たれやすい日本の社会保障制度ですが、困ったときに頼れる制度です。

2.1 医療費を支える「健康保険制度」

日本の健康保険制度は国民皆保険を実現し、誰もが必要な医療を受けられる優れた制度です。患者の自己負担は原則3割で、残りは保険が負担するため、高額な医療費でも安心して治療を受けられます。

医療費の一部負担(自己負担)割合

医療費の一部負担(自己負担)割合

出所:厚生労働省「我が国の医療保険について」

また、高額療養費制度により月額の医療費上限が設定されているため、重篤な病気でも家計への負担を軽減できます

2.2 老後の安心を守る「年金保険制度」

年金制度は、老後の生活を支える重要な社会保障です。国民年金と厚生年金の二階建て構造により、基礎的な生活費から一定の生活水準まで幅広くカバーされています。現役時代に保険料を納付することで、老後に安定した収入を得られるため、将来への不安を軽減できるのです。

また、障害年金や遺族年金の機能も備えており、予期せぬ事態でも生活を保障します。老齢・障害・死亡などで働けなくなってしまうリスクに備えられる、優れた保険制度といえるでしょう。

2.3 働く人を支える「雇用保険制度」

雇用保険は、失業時の生活保障と再就職支援を行う制度です。失業給付により一定期間の生活費が保障されるため、焦らずに適切な就職活動が可能になります。

ほかにも、職業訓練により、スキルアップを図りながら再就職を目指せます。教育訓練制度を活用すれば、自己負担を抑えて専門的な資格や知識を習得できるため、職業人生の充実化につながるでしょう。

また、育児休業給付金や介護休業給付金により、仕事と家庭の両立を支援しながら働き続けられる環境も整備されています。失業時の生活保障だけでなく、そもそも失業を防ぐための仕組みとして、大切な役割を果たしています。

2.4 仕事中の事故をカバーする「労災保険制度」

労災保険は、業務上の災害や疾病から労働者を守る制度です。治療費は全額保険負担で、休業中の給与も一定割合が補償されるため、労働者とその家族の生活が守られています。

障害が残った場合の年金給付や、万一の場合の遺族補償により、長期的な生活保障も提供されています。