7. 【2025年10月の飲食料品】値上げは3024品目「前年10月から100品目・3.4%増」
帝国データバンクが9月30日に発表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2025年10月の飲食料品値上げは3024品目となり、前年10月(2924品目)から100品目・3.4%増となりました。
食品分野別にみると、焼酎やリキュール、日本酒などアルコール飲料を中心とした「酒類・飲料」が最も多く、2262品目となりました。
2025年通年においても、「酒類・飲料」(4871品目)は、清涼飲料水のほか、ビール、清酒、焼酎、ワインといった洋酒など広範囲で値上げとなり、前年比で8割を超える大幅増となりました。
次いで「加工食品」(340品目)となり、包装米飯や餅製品が中心となりました。
「調味料」(246品目)では、焼肉のたれやみそ製品などの値上げが目立ちました。
いずれも食卓に欠かせない食品類の値上げが続いており、家計への打撃は避けられない状況といえるでしょう。
食品の値上げは、これで10カ月連続で前年同月を上回る結果となり、値上げが常態化しつつある実情が明らかになっています。
単月でみると、10月の値上げは5カ月連続で1000品目を超えており、連続増加期間は統計開始の2022年以降で最長を更新し続けています。
また、4月(4225品目)以来6カ月ぶりに3000品目を上回りました。
一方で、11月に値上げが予定されている食品は9月末時点で100品目に満たず、11カ月ぶりに前年の同月を下回る見込みです。
これにより、続いてきた飲食料品の値上げラッシュは年末にかけていったん落ち着きそうです。
年間の値上げ品目数も、値上げが本格化した2022年の2万5768品目という水準には及ばず、2万1000品目前後で着地すると予測されます。
物価が上がり続ける中で、家計をやりくりしながら生活を守るための工夫が求められます。
8. ゆとりある老後の為に現役世代のうちから備えを
老後、公的年金だけでは毎月の生活費をまかなえない人がほとんどです。
趣味や旅行などを楽しめる老後を送るには、ある程度のまとまった貯蓄が必要とされています。
また、歳を重ねると病気や介護のリスクも高まる傾向にあるため、医療費の準備についてもしっかり考えておく必要があります。
安定した収入がある現役世代のうちに、老後に向けた準備をはじめておくことが大切です。
たとえば老後までの時間を利用して、税制優遇制度である新NISAやiDecoを活用した資産運用に取り組むのも1つの選択肢としてあります。
ただし資産運用は利益が期待できるだけでなく、価格変動リスクなどによる元本割れの可能性もあります。
そのため資産運用を検討する際は、金融商品ごとに異なる特徴や経済情勢を理解したうえで分散投資に取り組むなど、リスクを軽減する方法について考えることも大切です。
家計・年金・貯蓄など、ご自身の資産全体の状況を把握したうえで、ライフスタイルに合った方法で資産形成について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年10月
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
橋本 優理