2. 【年金制度改正の全体像】おもな改正内容《5つのポイント》をチェック!
今回の年金制度改正について、その全体的な枠組みを確認しておきましょう。
2.1 確認しておきたい「主な5つの改正内容」
社会保険の加入対象の拡大
- 中小企業で短時間勤務する人なども、厚生年金や健康保険に加入できるようにし、将来的な年金額の増加などのメリットを受けられるようにする
在職老齢年金の見直し
- 年金を受給しながら働くシニアが、減額の対象になりにくくし、より長く・多く働けるようにする
遺族年金の見直し
- 遺族年金における男女間の差を是正し、子どもが遺族基礎年金を受け取りやすくする
保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
- 一定以上の月収がある人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の収入に見合った年金を受け取りやすくする
その他の見直し
- 子どもの加算などの見直し・脱退一時金の見直し
- 私的年金の見直し:iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)加入年齢の上限引き上げなど
これらの改正点からも、公的年金は単に「老後の受給額」にとどまらず、現役世代の働き方やキャリア設計、さらには人生全体のプランにも大きく関わっていることが分かります。
次章では、シニア世代の具体的な貯蓄状況に注目し、70歳代の世帯がどの程度の貯蓄を保有しているのか、その実態を確認していきましょう。