日中は過ごしやすい日が続き、澄み切った秋の空気が心地よい季節となりました。

2025年6月13日「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」が参議院本会議で可決・成立しています。

今回の改正は、多様な働き方や家族の形に対応し、より柔軟で安心できる年金制度を目指すものです。

また、私的年金(企業型や個人型)の活用促進や所得再分配の強化を通じて、シニア世代の生活安定を大きな目的としています。

この記事では、この年金制度改正の主要なポイントをわかりやすくご紹介するとともに、70歳代のシニア世代が実際に受け取っている年金額や「貯蓄の実態」「高齢者世帯の生活意識」についても詳しく解説します。

今後の生活設計に、ぜひお役立てください。

1. 【高齢者の生活意識】半数以上(55.8%)が「大変苦しい」「やや苦しい」と回答

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の生活意識に関するリアルな結果を見ていきます。

※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

【高齢者の生活意識】半数以上(55.8%)が「大変苦しい」「やや苦しい」と回答

【高齢者の生活意識】半数以上(55.8%)が「大変苦しい」「やや苦しい」と回答

出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

1.1 高齢者世帯の生活意識

  • 大変苦しい:25.2%
  • やや苦しい:30.6%
  • 普通:40.1%
  • ややゆとりがある:3.6%
  • 大変ゆとりがある:0.6%

この調査結果からは、シニア世帯の暮らし向きが、経済状況によって大きく3つの層に分かれている様子が見えてきます。

まず、半数以上(55.8%)が「大変苦しい」「やや苦しい」と回答し、日々の生活に経済的な厳しさを感じています。

その一方で、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と回答した世帯は合計してもわずか4.2%。経済的な余裕を実感できているシニア世帯はごく一握りのようです。

そして、これら両者の中間にあたるのが、40.1%を占める「普通」と回答した層です。

この割合は「苦しい」層には及ばないものの、「ゆとりがある」層を大きく上回りました。

経済的な余裕があるとは言えないものの、堅実に暮らす一定数のシニア世帯が、厚い中間層を形成している様子もうかがえます。