4. 老後までに「2000万円」を貯めたい!毎月いくら積み立てる必要がある?
では最後に、老後までに「2000万円」を用意するには、毎月どの程度の金額を積み立てる必要があるのか、金融庁が提供する「つみたてシミュレーター」を参考に見ていきましょう。
65歳の年金受給開始時点までに、年利3%で資産運用を行いながら2000万円を目指す場合、必要となる毎月の積立額は以下のとおりです。
- 40年間運用した場合(25歳から積立開始):2万1597円
- 30年間運用した場合(35歳から積立開始):3万4321円
- 20年間運用した場合(45歳から積立開始):6万920円
- 10年間運用した場合(55歳から積立開始):14万3122円
上記のシミュレーション結果からもわかるように、早めに資産運用を始めて長く続けることで、毎月の積立額を抑えやすくなることが分かります。
時間をかけた運用では複利の恩恵を受けやすく、資産形成において有利に働くため、老後の資金対策は早期に始めるのが効果的です。
現代においては、NISAやiDeCoなど、少額から利用可能な制度も整備されており、これらを活用しながら地道に老後資金を準備していくことが重要と言えるでしょう。
5. 計画的に老後資金の準備をしておこう
本記事では、70歳代の貯蓄実態に加え、年金暮らしをしている世帯の家計状況についても紹介していきました。
70歳代・二人以上世帯では、貯蓄が3000万円を超える層が全体の約2割にとどまる一方で、貯蓄がまったくない世帯も同程度存在しており、資産状況には大きな差が生じています。
家計状況によっては必ずしも高額な貯蓄が必要とは限りませんが、将来的な物価上昇を踏まえると、早めに資産を蓄えることが重要となります。
資産運用を取り入れることで、預貯金だけに頼るよりも、複利効果によって資産を効率よく増やすことが可能です。
特に長期にわたる運用は、複利の力を最大限に活かせるため、老後に備えて早めに計画を立てておけると良いでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
中本 智恵