2. 資産寿命シミュレーション「今ある資産をどう取り崩し、どう活かすか」
70歳代は今ある資産を「どう取り崩し、どう活かすか」を考えながら、これからの暮らし方を見直す大事なタイミングです。
資産寿命シミュレーションは、今ある資産で「あと何年、どんな生活ができるか」を見える化できる便利なツールです。使えば、将来への安心感が持てたり、無理のない取り崩しペースもわかります。また、資産運用や生活費の見直しにも早めに取り組めます。銀行や証券会社などの公式ホームページで無料で使えるので、気軽に試せるのもおすすめです。
たとえば、以下の前提条件で資産寿命シミュレーションしたとします。
- 手元の資産:1000万円
- 公的年金などの年間収入:180万円
- 生活費などの年間支出:230万円
年間収入ー年間支出=▲50万円
毎年50万円ずつ赤字になる場合の資産の減り方について2つの場合をシミュレーションします。
年間50万円の赤字でも、年利3%で運用すれば資産は約30年も持ちますが、運用しないと約20年で尽きてしまいます。この差は、使いながら資産を活かす「運用の意識」がいかに大事かを示しています。
年利3%は、NISAのつみたて投資枠を使ったバランス型投資信託などで目指せる水準の一例です。預金の一部をゆるやかに運用することで、インフレ対策にもなり、資産寿命を延ばす現実的な方法になります。
70歳代は教育費や住居費の負担が減る時期で、家計の見直しに最適なタイミングです。「資産の見える化」で今ある資産をどう取り崩し、どこにいくら残すかを考え、「守る×活かす」のバランスを整えることが大切です。