1. 70歳代の資産「みんなの平均が約2450万円」でも安心できないワケとは?
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額階層ごと世帯割合(金融資産非保有世帯を除く)で貯蓄額についてみていきましょう。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額階層ごと世帯割合(金融資産非保有世帯を除く)
- 100万円未満:6.9%
- 100~1000万円未満:32.3%
- 1000~2000万円未満:21.2%
- 2000~3000万円未満:11.2%
- 3000万円以上:24.0%
(無回答:4.4%)
- 平均:2450万円
- 中央値:1205万円
金融資産保有額の「平均」と「中央値」について、考え方は以下の通りです。
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平均:全員の資産額を合計して人数で割った値。
資産がとても多い世帯があると、その影響で数値が高くなりやすい。 -
中央値:資産額の少ない順に並べたとき、
ちょうど真ん中にくる世帯の額。たとえば、10人並んでいたら5番目と6番目の間の額になる。
お金持ちがいても、平均のように数字が引っ張られることなく、全体の“真ん中”の実態を示す。
J-FLECの調査によると、70歳代・二人以上世帯(金融資産非保有世帯を除く)の平均資産額は約2450万円、中央値は約1205万円です。平均が中央値より倍以上高いのは、いわゆる「お金持ち」といわれる一部の資産が多い世帯が平均を引き上げているからです。
たとえば、3000万円以上の資産を持つ世帯は、全体の24%を占めています。一方、最も多いのは1000万円〜1500万円未満で12.9%、1000万円以上を持つ世帯は過半数にのぼります。100万円未満という世帯も6.9%あり、資産額の差はかなり広いです。
全体的には、退職金の活用や計画的な家計管理、資産運用でしっかり備えてきた世帯が多い傾向にあります。70歳代は資産を「どう取り崩し、どう活かすか」が大切なテーマとなってきます。次は、資産運用の有無で資産寿命がどれくらい変わるかをシミュレーションで見ていきます。