1.3 医療費の実態
介護費と同様に、医療費も高齢者にとっては見逃せない出費です。
厚生労働省のデータによれば、日本人の生涯医療費は平均約2900万円で、そのうち半分が70歳以降に集中しています。
特に70代後半〜80代前半に医療費がピークを迎える傾向があり、保険適用で自己負担分は少なくなるとはいえ、慢性疾患や入院費用が発生すると家計を圧迫する要因となります。
このことからも、医療費の備えも必要であることがわかるでしょう。
1.4 日本では認知症が増えている
特に日本では、高齢化が進む中、認知症患者数も増加しています。
厚生労働省の推計によれば、2025年には65歳以上の高齢者の約20%が認知症になるとされています 。
高齢者の5人に1人が認知症になる計算であり、認知症に伴う介護に携わる人も増えていくことが予想されます。
認知症は生活全般にわたる支援が必要となり、介護期間が長くなる傾向があります。
このため、介護費用の見積もりは「短期で終わる場合」と「長期化する場合」の両方を想定することが大切です。