2025年8月15日は公的年金の支給日です。
いまのシニア世代は、実際にどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。
本記事では、厚生労働省の最新データをもとに、「国民年金・厚生年金」の平均受給額を解説します。
2025年度の税制改正によって12月に「還付金」が発生するケースも解説していますので、最後までご確認ください。
1. 日本の公的年金制度のキホンをおさらいしよう
「国民皆年金」である日本の年金制度のしくみをおさらいしていきましょう。
「年金制度は2階建て」などと呼ばれるように、2つの年金制度(国民年金・厚生年金)から成り立ちます。
国民年金(基礎年金)は、国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する「年金制度のベース」といえる部分。さらに会社員や公務員などは、厚生年金に上乗せ加入します。
それぞれの年金制度の基本を整理しておきましょう。
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
- 加入対象:原則として日本国内に住む20歳以上から60歳未満の人全員
- 年金保険料:全員一律(※1)
- 老後の受給額:40年間納付すると65歳以降に満額(※2)を受給できる
※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
1.2 2階部分:厚生年金(被用者年金)
- 加入対象:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイトの人が国民年金に上乗せして加入
- 年金保険料:報酬(賞与・給与)に応じて計算される(上限額あり※3)
- 老後の受給額:国民年金に上乗せして受給。厚生年金部分は年金加入期間や納付済保険料により個人差が出る
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される。
※4 受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間などの合算)が10年以上ある場合、65歳以降で受給できる。
現役時代の働き方や立場によって、「国民年金のみに加入する人」と「国民年金と厚生年金の両方に加入する人」に分かれます。
老後の受給も「国民年金のみを受け取る人」と「国民年金+厚生年金を受け取る人」の2つのタイプに分かれます。
1.3 年金保険料はどうやって納める?
自営業者やフリーランスなど、国民年金のみに加入する人(第1号被保険者)は、毎月の年金保険料を自分で納付します。
会社員や公務員など、厚生年金に加入する人(第2号被保険者)は、毎月の保険料を勤務先と折半で負担し、給与から天引きで納めます。
なお、第2号被保険者に扶養されている配偶者(第3号被保険者)は、個人で国民年金保険料を負担する必要はありません。
2. 年金支給は「毎月」ではない!原則「2・4・6・8・10・12月」の隔月です
公的年金の支給日は、原則として偶数月の15日です。15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しされます。
《2025年》年金支給日:支給対象月
- 2025年4月15日(火) :2月・3月分
- 2025年6月13日(金) :4月・5月分
- 2025年8月15日(金) :6月・7月分
- 2025年10月15日(水) :8月・9月分
- 2025年12月15日(月) :10月・11月分
このように、前月までの2カ月分の年金がまとめて支給されます。
次では、今のシニア世代が実際にどの程度年金を受け取れているか、厚生労働省の資料をもとに見ていきましょう。