3. 今後「後期高齢者医療制度」の保険料負担は増える可能性はあるのか

2024~2026年度の65歳以上における介護保険料(基準額)は、前期の2021~2023年度と比べて3.5%上昇し、これまでで最も高い水準に達しました。

社会保険料の負担は年々増しており、後期高齢者医療制度の保険料についても、今後どのような動きを見せるのか注目が集まっています。

3.1 後期高齢者医療制度の「保険料」はどうやって決まるの?

後期高齢者医療制度の保険料は、「均等割」と「所得割」を合算して計算されます。

「均等割」は加入者全員が一律で負担する額であり、「所得割」は前年の所得に応じて決定されます。

これらの水準は都道府県ごとに異なります。

たとえば東京都では、均等割が4万7300円、所得割率は9.67%(上限80万円)に設定されています。

ただし、実際には軽減措置や特例が適用される場合もあるため、単純な計算だけでは正確な負担額を把握できません。

多くの自治体では、保険料を試算できるシミュレーションサイトを提供しているため、活用すると便利です。

次章では、国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移った際の保険料試算例を確認していきます。

3.2 「後期高齢者医療」と「国民健康保険」の保険料はどのくらい違うか徹底比較

ここでは、単身で年金収入168万円のみのケースを想定しています(厚生年金の月額平均約14万円をもとに算出)。

この条件で東京都における後期高齢者医療制度の年間保険料を試算すると2万700円という結果になりました。

一方、同じ条件で東京都北区の国民健康保険料を計算すると年間3万6980円となり、この場合は後期高齢者医療制度のほうが負担が軽いことがわかります。

ただし、加入前の保険が社会保険だった人の場合、保険料がさらに低いケースもあります。

また、これまで被扶養者で保険料を支払っていなかった人は、制度移行後に新たに保険料の負担が発生する点に注意が必要です。

このように、軽減措置があっても移行によって保険料が上がる場合があるため、「地域ごとに保険料が異なること」や「近年の負担増加傾向」にも留意しておく必要があります。