3. 「将来、生活に少しでもゆとりを持たせるために」今から何ができる?

いまどきシニアの生活では、仕事をしている人も多く、また生活意識では「生活が苦しい」が約半数、「生活はふつう」も約4割と人によって暮らしの意識は様々であることがわかりました。

「できれば将来生活を苦しいと感じたくない」と思う人は、以下の項目に取り組んでみるのも良いです。

  • 生活費の見直し
  • 将来の年金受給額を増やす
  • 収入を増やす
  • 資産運用を検討する

生活費の見直しは、固定費から始めるのがおすすめです。

さらに、老後の主な収入源となる年金の受給額を増やす工夫も考えてみましょう。たとえば、国民年金の第1号被保険者であれば、将来の年金を増やすために「付加年金」か「国民年金基金」のどちらかに加入することができます。また、会社員や公務員を含め、幅広い人が利用できる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の活用も有効です。

あわせて、働き方を工夫して収入を増やしたり、効率よく貯蓄を増やすために資産運用を検討するのも一つの方法です。ただし、資産運用にはリスクが伴うため、いきなり始めるのではなく、必ず金融商品ごとの仕組みやリスクを理解することから取り組むようにしましょう。

4. 今も未来も安心な暮らしを手に入れるために

今回は、厚生労働省の調査データをもとに、高齢者世帯の平均所得や生活意識について解説しました。平均所得は315万円程度でも、半数以上が生活を苦しいと感じているという現実は、多くの人にとって他人事ではありません。

だからこそ、公的年金だけに頼り切るのではなく、早い段階から家計の見直しや資産運用を始めることが大切です。特に、公的年金の受給額を増やすための付加年金や国民年金基金への加入は、将来の収入の土台を固める有効な方法です。

今から「できること」を着実に実践することで、未来の生活への不安を和らげ、前向きに老後を迎える準備をしていきましょう。

参考資料

村岸 理美