4. 高齢者の約5割は生活が苦しい
厚生労働省の公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の半数以上、55.8%が生活を苦しいと捉えていることが判明しました。
苦しいの内訳として「大変苦しい」と回答したのが25.2%、「やや苦しい」と答えたのが30.6%でした。
ちなみに、前年度の数字は以下のとおりです。
- 苦しい:59.0%
- うち大変苦しい:26.4%
- うちやや苦しい:32.6%
そのため、前年度よりは苦しいと回答した世帯の割合は減っているものの苦しいと感じる人は多いので、近年の物価高なども影響しているのか、生活が大きく改善しているとはいえないかもしれません。
5. 不安なのは金銭面だけじゃない?
老後に不安なのは金銭面だけではないかもしれません。
PGF生命が行った「「2025 年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」によると、還暦以降の人生で不安に思うことの第1位は身体能力の低下でした。
また4位に自分の介護、5位に判断能力の低下がランクインしており、お金以外のことに不安を感じる人も多いようです。
ただし、不安に思うことの2位に収入の減少、3位に物価の上昇が入っています。
つまり、これから老後を迎える人は金銭面と健康面、両方の備えが必要かもしれません。
金銭は生活費の見直しや先取り貯蓄、健康面には配慮した生活を検討するなど、それぞれバランスよく取り組んでいくとよいでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- PGF生命「「2025 年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
宮野 茉莉子