厚生労働省の調査によると、実に約6割(58.9%)の世帯が「生活が苦しい(大変苦しい、やや苦しい)」と答えているのが現状です。

特に、子育て中の世帯で「苦しい」と感じている世帯が多い傾向があります。

このように、生活することで手一杯という状況の中、ほかの人はどのくらい貯蓄をしているのでしょうか。

本記事では、年代別の平均貯蓄額を二人以上世帯・単身世帯別に解説するとともに、平均給与についても確認していきます。

1. 約6割の世帯が「生活が苦しい」と感じている

厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、全世帯のうち58.9%の世帯が「生活が苦しい」と感じていることがわかりました。

2023年調査結果では59.6%であり、0.7%減少しているものの、「大変苦しい」と感じている世帯は1.5%上昇しています。

具体的な調査結果は以下の通りです。

約6割の世帯が「生活が苦しい」と感じている1/4

約6割の世帯が「生活が苦しい」と感じている

出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

【全世帯】

  • 大変苦しい:28.0%(26.5%)
  • やや苦しい:30.9%(33.1%)
  • 普通:36.5%(35.8%)
  • ややゆとりがある:4.0%(3.9%)
  • 大変ゆとりがある:0.7%(0.7%)
    ※()内は2023年の調査結果

高齢者世帯では55.8%の世帯が、子どものいる世帯では64.3%が生活が苦しいと回答しています。

なお、ゆとりがあると回答している世帯は、5%未満です。

現在の日本では、普通またはゆとりがあると感じている世帯よりも、苦しいと感じている世帯の方が多いことになります。

このような状況で、ほかの人はどのくらいの貯蓄を有しているのでしょうか。次章で確認していきましょう。

2. 年代別の貯蓄額(平均値・中央値)はいくら?

年代別の平均貯蓄額について、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとに解説していきます。

2.1 二人以上世帯の貯蓄額「平均値・中央値」

二人以上世帯の、年代別の貯蓄額の平均値・中央値は以下の通りです。

二人以上世帯の貯蓄額「平均値・中央値」2/4

二人以上世帯の貯蓄額「平均値・中央値」

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとに筆者作成

【年代別】二人以上世帯の貯蓄額「平均値・中央値」

  • 20歳代:382万円・84万円
  • 30歳代:677万円・180万円
  • 40歳代:944万円・250万円
  • 50歳代:1168万円・250万円
  • 60歳代:2033万円・650万円
  • 70歳代:1923万円・800万円

いずれの年代でも、平均値と中央値に大きな開きがあり、貯蓄額の多い世帯が平均を押し上げていると考えられます。

平均値が1000万円を超えるのは50歳代以降で、60歳代になると2000万円を超えます。

これは、退職金の受け取りや相続財産の取得などが理由と考えられるでしょう。

しかし、中央値を見ると1000万円を超える年代はなく、十分な貯蓄のない世帯が少なくないことがわかります。

2.2 単身世帯の貯蓄額「平均値・中央値」

単身世帯の年代別の貯蓄額の平均値・中央値は以下の通りです。

単身世帯の貯蓄額「平均値・中央値」3/4

単身世帯の貯蓄額「平均値・中央値」

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとに筆者作成

【年代別】単身世帯の貯蓄額「平均値・中央値」

  • 20歳代:161万円・15万円
  • 30歳代:459万円・90万円
  • 40歳代:883万円・85万円
  • 50歳代:1087万円・30万円
  • 60歳代:1679万円・350万円
  • 70歳代:1634万円・475万円

二人以上世帯と比較すると、全体的に金額が下回っていますが、やはり単身世帯でも平均値と中央値の差が大きくなっています。

特に、50歳代では平均値は1000万円を超えるものの、中央値は30万円となっており、20歳代に次いで2番目に低い状況です。

50歳代は老後まであと10年程といった年代にあたるため、積極的に貯蓄したいところですが、就職氷河期世代ということもあり難しいと考えられます。

3. 年代別の平均給与はどのくらい?

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、全年代の平均給与は460万円で、男性は569万円、女性は316万円です。

では年代別の平均給与はどのくらいなのか、下表をご覧下さい。

年代別の平均給与4/4

年代別の平均給与

出所:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」をもとに筆者作成

【年代別】平均給与「全体・男性・女性」

  • 25歳~29歳:394万円・429万円・353万円
  • 30歳~34歳:431万円・492万円・345万円
  • 35歳~39歳:466万円・556万円・336万円
  • 40歳~44歳:501万円・612万円・343万円
  • 45歳~49歳:521万円・653万円・343万円
  • 50歳~54歳:540万円・689万円・343万円
  • 55歳~59歳:545万円・712万円・320万円
  • 60歳~64歳:445万円・573万円・278万円
  • 65歳~69歳:354万円・456万円・222万円
  • 70歳以上:293万円・368万円・197万円

全体および男性では、「55〜59歳」をピークに年齢が上がるにつれて給与が高額になっていきます。しかし女性は、最も高額なのが「25〜29歳」で、その後の年代は若干の増減を繰り返していますが、金額に大きな差は見られません。    

ただし、平均給与は住んでいるエリアや業種・職種、雇用形態などさまざまな要因で異なるため、一概には言えません。あくまでも一つの参考として捉えておきましょう。

4. まとめにかえて

生活が苦しいと感じている世帯は全体の約6割を占めており、特に子育て世代において顕著に見られます。

貯蓄額は、十分な貯蓄のある世帯とない世帯の差が大きくなっており、特に単身世帯では老後資金の準備が進んでいない世帯が少なくない状況です。

日々の生活が苦しい中、貯蓄をすることは簡単なことではありませんが、万が一のときや老後資金の確保などのために、少しずつでも取り組むことが大切です。

参考資料

木内 菜穂子