3.2 一般社員との賃金差
役職のない一般社員と比較して管理職の収入はどうでしょう。男女を合わせた平均賃金(月)は次の通りです。
- 部長級:62万7000円(平均年齢53.0歳)
- 課長級:51万2000円(同49.3歳)
- 係長級:38万5900円(同45.6歳)
- 一般社員:30万2800円(同41.5歳)
部長や課長の平均賃金は一般社員の2倍前後もあり、収入面でのメリットは大きいと言えるでしょう。
一方、係長は一般社員の1.3倍程度で他の管理職ほどは差がありません。残業が多い人が係長になった場合、残業代がなくなって手取り収入があまり変わらないというケースも見られます。
また、「名ばかり管理職」と言われるように、管理職としての権限や責任を与えず不当な扱いを行う企業が社会問題になっています。
一部企業の話ではありますが、自分のキャリア形成を考える上で、管理職の役割や待遇などを確認しておくことが重要です。
4. まとめにかえて
管理職は、部下の育成・指導や業務指示・進捗管理、部下のモチベーション維持など重要な役割を期待されています。
一方で、メンタルケアや部下の相談対応、キャリア面談といった業務に負担を感じる管理職も少なくありません。やりがいのある働き方である一方、責任が重く一定の負担感はあるでしょう。
収入面では、役職が上がるにつれて月額10万円前後、年収では150万円〜200万円程度アップする可能性があり、一般社員と比較してかなり高収入です。
ただし、残業がなくなって手取り収入があまり増えなかったり、名ばかり管理職で不当な扱いを受けたりするケースもあります。
管理職の役割や待遇は企業によって大きく異なるため、自社の状況をきちんと確認したうえで、キャリア形成を検討しましょう。
参考資料
西岡 秀泰