12月に入り、冬の訪れを感じる今日このごろ。灯油や暖房器具の準備に追われるタイミングで、ふと「年金と貯蓄で本当に冬を乗り切れるだろうか」と不安になる高齢者世帯も多いのではないでしょうか。
2025年7月に厚生労働省が発表した調査によると、高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と感じていることが明らかになりました。
その背景には、物価高に加えて社会保険料の負担増や医療制度の見直しなどが重なり、年金だけでは生活費をまかなえない現状があります。
本記事では、70歳代夫婦世帯の平均生活費、貯蓄額、年金額を詳しく見ていきます。
1. 【生活意識】高齢者世帯の55.8%が「生活が苦しい」
2025年7月4日に厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の55.8%が「生活が苦しい」と感じているそうです。
その背景には、食料品や光熱費の相次ぐ値上げに加え、2025年度からの介護保険料や後期高齢者医療保険料の上昇、さらに議論が続く高額療養費制度の見直しといった、生活を直撃する制度変更も影響しています。
特に、年金だけを主な収入源とする世帯では、毎月の生活費が年金額を上回る「家計赤字」の状態にあるケースも少なくありません。
限られた年金のなかで、医療費や生活費をまかなうことに苦労している高齢者は増加傾向にあります。
