7. シニア世代の生活設計は「早めの見直し」と「行動」がポイント
今回の記事では、2025年の年金制度改正の主な内容に加え、70歳代世帯の貯蓄状況、公的年金の平均受給額、そして老後の標準的な家計収支を様々なデータから読み解きました。特に重要なのは、公的年金だけでは老後資金が不足する可能性が高いという現状です。
70歳代夫婦の貯蓄中央値は800万円で、年金収入だけでは毎月3.4万円の赤字となるデータがそれを裏付けています。また、平均寿命と健康寿命の間には大きなギャップがあり、医療費や介護費が必要となる期間に備える資金準備が求められます。
年金制度改正は、私たちの働き方やライフプランと深く関わっているため、「自分事」として捉えることが大切です。健康なうちはパートタイムでの勤労収入や、不動産収入、投資による不労所得など、多様な選択肢を検討し、早めに準備を進めることが、老後の安心感につながるでしょう。
老後の生活を豊かにするためにも、今から生活設計を見直し、必要な行動を少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」
村岸 理美