4. 年金の平均受給額をチェック

医療費が2割負担になる年金収入の目安は、単身世帯で月額約16万円、複数世帯で月額約26万円です。この金額は、年金の平均受給額と比べるとどのあたりに位置するのでしょうか。国民年金(基礎年金)と厚生年金(基礎年金含む)の受給額を見てみましょう。

国民年金(基礎年金)

国民年金(基礎年金)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

厚生年金(基礎年金含む)

厚生年金(基礎年金含む)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

基礎年金は平均5万円台、厚生年金は平均14万円台です。基礎年金は加算などがなければ、満額で6万9308円(2025年)のため、基礎年金のみを受け取っている人は、基本的に医療費負担に変わりはありません。

厚生年金も平均は14万円台で、平均付近やそれ以下の金額を受給する人は、医療費の負担は変わりません。ただし、男性は月額16万円〜19万円付近の金額を受給する人の分布がもっとも多いため、単身世帯の人は注意しましょう。

【男性】年金受給月額が16〜19万円の人数

  • 16万円以上~17万円未満:89万8441人
  • 17万円以上~18万円未満:96万5766人
  • 18万円以上~19万円未満:96万3492人

また、後期高齢者が複数いる世帯で男女ともに平均付近の金額を受給する場合も、2割負担となる可能性が高いです。自身の年金受給額は、毎年6月に送付される年金振込通知書やねんきん定期便などで確かめてみましょう。

5. まとめ

後期高齢者の医療費負担割合が2割となる人への配慮措置は、2025年9月30日で終了します。

今回、負担割合が2割に引き上げられたことで「今後も社会保障費が増えれば、負担割合がさらに増える」といった可能性も考えられます。

社会保障制度をどう持続させていくか、今後の国の取り組みや施策を注視していく必要があります。

参考資料

石上 ユウキ