「若者のクルマ離れ」という言葉を耳にすることが増えました。
友だちとのお出かけやサークルの合宿など、車で移動することは便利な一方で、出費が多くなったり、運転の負担があったりすることも事実。
では、実際にZ世代は車に対してどのような意識を持っているのでしょうか。
今回はZ世代を対象に行われた意識調査のデータをもとに、車に対する本音やその背景にある価値観を探っていきます。
1. Z世代は「クルマ」をどう思っている?
株式会社KINTOが実施した「【2025年版】Z世代のクルマに対する意識比較調査」を見ていきます。
1.1 調査概要
- 調査名称:【2025年版】Z世代のクルマに対する意識比較調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2025年2月18日〜同年2月21日
- 有効回答:普通自動車免許を持っている都内在住のZ世代(18歳〜25歳)309名と普通自動車免許を持っている地方(政令指定都市がない県)在住のZ世代(18歳〜25歳)300名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
1.2 運転好きは多数派?東京・地方ともに6割以上が運転に好意的
自動車を運転することが好きだと感じるか1/7
出所:【2025年版】若者のクルマ離れが急拡大? 都内Z世代の72.8%が「自覚あり」、 2024年比で21.5ポイントの大幅上昇 | 株式会社KINTO
「自動車を運転することが好きだと感じますか」〈東京〉
- とても感じる:29.1%
- やや感じる:38.8%
- あまり感じない:14.9%
- 全く感じない:17.2%
「自動車を運転することが好きだと感じますか」〈地方〉
- とても感じる:29.7%
- やや感じる:35.6%
- あまり感じない:20.7%
- 全く感じない:14.0%
「自動車を運転することが好きだと感じますか」という問いに対し、東京のZ世代の67.9%、地方のZ世代の65.3%が「とても感じる」「やや感じる」と回答。
どちらの地域でも6割以上が運転に好意的な感情を抱いていることがわかります。
とくに東京のZ世代のほうが好きという結果には驚きますが、地方だと「好き」を超えて「当たり前」になっているのかもしれません。
「若者のクルマ離れ」と言われているものの、必ずしも「運転嫌い」とはイコールではないようです。
では、Z世代は自分たち自身を「クルマ離れ」していると感じているのでしょうか。次の章で詳しくみていきましょう。
2. 東京と地方の数値差にも注目!Z世代による「クルマ離れ」の自覚はどのレベル?
「若者のクルマ離れ」を自分自身のことだと感じるか、東京と地方それぞれの結果をみていきましょう。
2.1 「クルマ離れ」の自覚は東京で顕著:72.8%ものZ世代が「クルマ離れ」を意識
「若者のクルマ離れ」を自分自身のことだと感じるか<東京>2/7
出所:【2025年版】若者のクルマ離れが急拡大? 都内Z世代の72.8%が「自覚あり」、 2024年比で21.5ポイントの大幅上昇 | 株式会社KINTO
「あなたは『若者のクルマ離れ」と聞いて、自分自身のことだと感じますか」〈東京〉
- とても感じる:29.1%(2025年)、17.2%(2024年)、23.0%(2023年)
- やや感じる:43.7%(2025年)、34.1%(2024年)、34.2%(2023年)
- あまり感じない:15.9%(2025年)、35.7%(2024年)、28.5%(2023年)
- 全く感じない:11.3%(2025年)、13.0%(2024年)、14.3%(2023年)
東京では、2025年には実に72.8%ものZ世代が「クルマ離れ」を「とても感じる」「やや感じる」と回答しています。
とくに「とても感じる」は29.1%と大幅にポイント上昇。2023年の17.2%から大幅に増加していることからも、東京のZ世代の間でクルマ離れがより一層進んでいることがわかります。
2.2 地方でも「クルマ離れ」の傾向:地方では半々といったところ
「若者のクルマ離れ」を自分自身のことだと感じるか<地方>3/7
出所:【2025年版】若者のクルマ離れが急拡大? 都内Z世代の72.8%が「自覚あり」、 2024年比で21.5ポイントの大幅上昇 | 株式会社KINTO
「あなたは『若者のクルマ離れ」と聞いて、自分自身のことだと感じますか」〈地方〉
- とても感じる:18.7%(2025年)、10.8%(2024年)、9.7%(2023年)
- やや感じる:28.0%(2025年)、23.2%(2024年)、24.5%(2023年)
- あまり感じない:33.6%(2025年)、41.5%(2024年)、41.8%(2023年)
- 全く感じない:19.7%(2025年)、24.6%(2024年)、24.0%(2023年)
地方では「とても感じる」「やや感じる」と回答したZ世代は2025年には計46.7%でした。
東京に比べると低いものの、2023年の34.0%から見ると、地方でも「クルマ離れ」の自覚が着実に高まっているとわかります。
一方、実際に自分名義の自動車を所有しているかという問いでは、地域差が鮮明に表れているようです。次の章で詳しくみていきます。
3. 自分の車を持っているZ世代は少ない?
3.1 地方の63.7%が「自分名義の自動車」を所有、都内より21.6ポイント高い結果
「あなたは、自分名義の自動車を所有していますか」〈東京〉
- はい:42.1%
- いいえ:57.9%
「あなたは、自分名義の自動車を所有していますか」〈地方〉
- はい:63.7%
- いいえ:36.3%
東京では「はい」と答えたのは42.1%にとどまるのに対し、地方では63.7%が「はい」と回答しており、地方における自動車を所有することの必要性が浮き彫りになっています。
3.2 所有意欲は一定程度ある様子:東京と地方の差は14.1ポイント
「現在自分名義の自動車が欲しいと思いますか」という質問では、東京のZ世代の40.2%が「非常に欲しい」「やや欲しい」と回答。地方では63.1%が同様に所有したいと答えています。
「現在、自分名義の自動車が欲しいと思いますか」〈東京〉
- 非常に欲しい:8.9%
- やや欲しい:31.3%
- あまり欲しくない:29.1%
- 全く欲しくない:30.7%
「現在、自分名義の自動車が欲しいと思いますか」〈地方〉
- 非常に欲しい:15.6%
- やや欲しい:38.5%
- あまり欲しくない:24.8%
- 全く欲しくない:21.1%
こちらも東京よりも地方が多い結果ですが、東京でも自分名義の自動車を欲しいと思う人がいることがわかります。
ただし、そんな東京では「全く欲しくない」の回答が3割を超えており、所有に対しては二極化が進んでいるといえるでしょう。
それでは「自動車を持たない」Z世代はどのような考えを持っているのでしょうか。次の章で深堀りしていきます。
4. 「自動車を所有しない理由」に都市と地方で異なる側面が! 上位の理由を深堀り
では、実際に自動車を所有していないZ世代は、どのような理由を挙げているのでしょうか。
4.1 自動車を所有しない理由、都内1位「家族のクルマで間に合う」、地方1位「自動車の価格が高い」
「自分名義の自動車を所有していない理由」〈東京・トップ5〉
- 1位:家族のクルマで間に合うから(43.1%)
- 同率2位:自動車の価格が高いから(31.9%)
- 同率2位:自動車の維持費が高いから(31.9%)
- 3位:公共交通機関で十分だから(29.2%)
- 4位:レンタカーやカーシェアで間に合うから(19.4%)
- 5位:駐車場が確保できないから(18.1%)
「自分名義の自動車を所有していない理由」〈地方・トップ5〉
- 1位:自動車の価格が高いから(35.6%)
- 2位:自動車の維持費が高いから(32.2%)
- 3位:家族のクルマで間に合うから(28.8%)
- 4位:公共交通機関で十分だから(16.9%)
- 5位:自動車購入における手続きが面倒だから(15.3%)
東京で自分名義の自動車を所有していない理由の上位は「家族のクルマで間に合うから」(43.1%)、「自動車の価格が高いから」(31.9%)、「自動車の維持費が高いから」(29.2%)でした。
加えて、「レンタカーやカーシェアで間に合うから」(19.4%)、「駐車場が確保できないから」(18.1%)など、都市ならではの理由も上位に挙がっています。
一方、地方では「自動車の価格が高いから」(35.6%)、「自動車の維持費が高いから」(32.2%)といった費用面がトップ2を占めています。
「家族のクルマで間に合うから」(28.8%)も上位ですが、東京ほど公共交通機関の利便性を理由にする声は多くありません。
4.2 将来的にも考え中…「自分名義の車を欲しいと思わない」理由は?
「自分名義の自動車をほしくない理由」〈東京・トップ5〉
- 1位:公共交通機関で十分だから(48.6%)
- 2位:自動車の価格が高いから(41.1%)
- 3位:自動車の維持費が高いから(37.4%)
- 4位:自分の運転が怖いから(30.8%)
- 5位:家族のクルマで間に合うから(23.4%)
「自分名義の自動車をほしくない理由」〈地方・トップ5〉
- 同率1位:家族のクルマで間に合うから(32.0%)
- 同率1位:自分の運転が怖いから(32.0%)
- 同率2位:自動車の価格が高いから(28.0%)
- 同率2位:自分で運転したくないから(28.0%)
- 3位:公共交通機関で十分だから(24.0%)
- 4位:自動車の維持費が高いから(22.0%)
- 5位:駐車場が確保できないから(14.0%)
ちなみに「自分名義の車を欲しいと思わない理由」として挙げられているのは、東京では「公共交通機関で十分だから」(48.6%)が最も多く、次いで「自動車の価格が高いから」(41.1%)、「自動車の維持費が高いから」(37.4%)と続きます。
地方では「自分の運転が怖いから」(32.0%)が最も高く、次いで「自動車の価格が高いから」(28.0%)、「公共交通機関で十分だから」(24.0%)が挙げられています。
地方では運転への心理的ハードルが、都市部では公共交通機関の利便性が、自動車を持たない・欲しがらない大きな理由となっていることが見て取れます。
5. まとめにかえて
若い世代のクルマ離れは単に車への興味がないというよりも、経済的な理由から所有をためらっているという現実的な側面が強く影響していることがわかりました。
Z世代の多くは車の必要性を認識しており、将来的な所有も視野に入れているものの、維持費の高さがその実現を阻む大きな要因となっていると言えるでしょう。
また都市部では、カーシェアやレンタカー、鉄道など、自分の車がなくても移動手段があることも要因と言えそうです。
企業は、Z世代のライフスタイルや価値観に合わせ、必要な時に使えるような新たな車の利用形態や経済的な負担を軽減するサービスの提供が求められるかもしれません。



